歯の着色しやすさと栄養の関係
栄養療法を始めてから気が付いた、ちょっとした変化についてです。
歯医者で定期的にクリーニング(歯石取り)を行っていますが、私は歯が着色しやすいほうでした。
電動歯ブラシが届きにくい微妙な凹凸部分の凹のところに色が付きやすいことに自覚がありました。
クリーニング後でもすぐに色が付くからです。
実際ドクターにも「着色しやすいんだねー」と言われていたので。
ふと気が付いたのですが、以前より圧倒的に着色しにくくなりました。
今年の年末は赤ワインを飲む機会が多かったのですが、ほとんど着色がなかった。
ふと思ったのですが、歯が着色しやすいというのは、
① 脱灰の前段階的なものではないか?
① 唾液の質が悪く再石灰化がうまくいっていないのではないか?
という2点です。
カルシウム不足による脱灰
イメージとは違って、骨は代謝の活発な’臓器’です。
身体に存在するカルシウムの99%は骨に存在しており、常に5%程度が代謝を繰り返しています。
骨の代謝とは、カルシウムの吸収(再石灰化)とカルシウムの体内への供給(脱灰)です。
食事によるカルシウム供給が少ないと、骨を溶かして血液中にカルシウムを供給しようとします。
なので、血中濃度が上昇します。
カルシウムの血中濃度上昇は、カルシウムが充足しているサインじゃなくて不足しているアラートです。
血中に増えたカルシウムが、余計なところにくっついて動脈硬化や歯石の原因になる、これを「異所石灰化」といいます。
口の中でも、歯は食事のたびに脱灰と再石灰化を繰り返しています。
食事をすると、口の中が酸性化するので、脱灰が始まる。
その後、唾液によって弱アルカリ性に戻り、唾液中のカルシウム分により再石灰化。
このバランスが崩れると、虫歯(脱灰のまま、再石灰化がうまくいかない)になったり、歯石(無駄に再石灰化)になったりというわけです。
もし歯の着色が、歯の表面に生じた微細な空洞に色素成分が入り込む現象であれば、
歯が着色しやすいというのは、歯の再石灰化がうまく行われていないということではないか?と思った次第です。
つまり、「歯が着色しやすい」イコール「歯の脱灰、再石灰化がバランスが微妙にうまくいってない」のではないかと。
栄養療法を始めると、こういった小さな変化に気が付くことがよくあります。
栄養による体質改善アプローチを始めて知覚過敏が治ったことは、私がセミナーでよくお話していることです。
こういった一見、栄養とは全く関係がないと思われることが、実は栄養状態を整えることで解消する、これは私の周りでもよく聞くハナシですね。
カルシウム代謝異常の5つの原因
脱灰、再石灰化のバランスを崩す原因は主に4つあります。
1.ホルモンバランスの異常
カルシウムを調節するホルモンはPTH(パラトラモン)とカルシトニン
PTHはカルシウムの骨吸収を促し、カルシトニンは骨の脱灰を促します。
PTHは副甲状腺、カルシトニンは甲状腺から分泌されるホルモンです。
2.マグネシウム不足
カルシウムの脱灰、再石灰化にはマグネシウムが非常に重要な役割を担います。
こちら↓でもかきましたが、牛乳など乳製品はカルシウムとマグネシウムのバランスが非常に悪い食品です。
【牛乳あぶない説は本当?】乳製品をおすすめ出来ない分子栄養学的な理由 | ビタミンアカデミー
3.リンの過剰
リンはカルシウムとくっついて排泄されます。
現代人は非常にリン過剰になりやすい、
なぜなら、ハム、ソーセージ、練り物、コンビニのお惣菜、お菓子、ほとんどの加工食品には「リン酸塩」が入っているから。
4.酸性食品(砂糖、肉)の摂取増加
砂糖や肉は体内を酸性化させるので、アルカリ化を促そうと身体は骨からカルシウムを動員します。
砂糖は可能な限り食べない、お肉を食べるならお野菜も同じ量を摂ることですね。
5.ビタミンDの低下
カルシウムの再石灰化に超重要なビタミンD
昨今の美白ブームで日本人の9割が血中ビタミンD濃度が低下していると言われています。
免疫にも重要。
当サイトでも頻出のビタミンDです(参考記事はこことか★、こことか★、ここ★)
1は遺伝的な要素などもあるかもしれませんが、ほかはすべて食事で改善可能です。
私個人の経験でいえば、歯の着色が改善した原因は、やはりビタミンDサプリメントはかなり効いているんじゃないかと思ってます。
あとは唾液の質ですね。
タンパク質の状態が悪く、ビタミンAがうまく使えてないと唾液の出が悪くなります。
そもそも唾液が潤沢に出ないと再石灰化も難しいですし。
長年の食事はその方の栄養状態を作ります。
栄養状態は見た目を作ります。
歯の色でさえ、その方の栄養状態を視診するのに有効な情報のような気がする次第です。