分子栄養学の「パレートの法則」
経済用語の「パレートの法則」ご存じ?
数値の大部分は一部の要素が
生み出しており、その割合は「80:20」になる、
例えば、、
「売上の8割は2割のお得意様から生じる」
「会社の利益の8割は2割の社員でもたらされている」
といった具合です。
ちょっと遊び心で、
分子栄養学的「パレートの法則」
を集めてみました。
その1 タンパク質のパレートの法則
「身体で産生される酵素の8割が消化酵素である」
体内の酵素のうち80%が消化酵素です。
膵液(膵臓がつくる消化酵素)は
1日あたり2~3リットルにもなります。
めっちゃ多いのです。
身体のタンパク質は「機能タンパク質」と
「構造タンパク質」に分かれます。
「え、消化酵素ってタンパク質なの?」
という方は以下の記事をご参考ください。
構造タンパクと機能タンパク【分子栄養学の基礎】 | ビタミンアカデミー
その2 脂質のパレートの法則
「コレステロールの8割が肝臓で合成される」
その昔、卵でコレステロール値が上昇する
と言われた時代がありました。
卵は高コレステロール食品なので。
ところが、体内のコレステロールは
食事由来が2割、残り8割が体内で
合成されたものということが判明。
食事でコレステロールを除去しても
影響は少なく、逆にコレステロールを
適宜召し上がったほうが、
ネガティブフィードバックが働いて、
合成能が落ち着くともいわれています。
『卵1日3個でコレステロールが改善』毎朝1個食べるだけで抗炎症の効果あり | ビタミンアカデミー
その3 糖質のパレートの法則
「グルコースの8割がミトコンドリア系に流れる」
ごはんが消化されて「ぶどう糖」となり
細胞の中でエネルギー(ATP)が作られます。
解糖系でピルビン酸になったあと、
ミトコンドリア側に流れるのが8割、
乳酸側に流れるのが2割です。
もちろん、条件によってこの割合は
変わってきますが、初心者は
「乳酸側に2割くらい流れる」
とざっくり覚えましょう。
乳酸も一つのエネルギー源なので。
その4 ミネラルのパレートの法則
「血液中の亜鉛の8割が赤血球の中に存在する」
血液中の亜鉛の80%は、
赤血球の細胞の中に存在します。
溶血で血清亜鉛の値は上昇しますので
採血データを読むときは要注意です。
(下記参照)
【採血データの読み方】亜鉛の値は溶血で上昇します | ビタミンアカデミー
その5 ビタミンのパレートの法則
「体内のビタミンB6の8割は骨格筋に存在する」
ビタミンB6の8割は
骨格筋中に存在しています。
理由の一つが、
骨格筋のグリコーゲンを
切り出すときの使われる酵素
「グリコーゲンホスホリラーゼ」
の補酵素がビタミンB6、活性型の
ピリドキサールリン酸(PLP)だから。
ビタミンB6が欠乏すると、
骨格筋中のカルノシンが低下して、
いわゆる筋肉の疲労を感じるらしい。
(カルノシンは、疲労回復タンパク質
イミダゾールジペプチドの一種)
筋肉とビタミンB6の関係、要チェックですね。
Carnosine Content in Skeletal Muscle Is Dependent on Vitamin B6 Status in Rats
おまけ 「パレートの法則」 ゼン吉編
マウスパッドの8割は猫用である。
椅子の座面の8割は猫用である。
プリンター起動で猫がやってくる確率8割
以上お粗末でした。