血清亜鉛の値は溶血で上昇します
昨日は実践講座の日、
午後はいつものように症例検討会、
前回の症例検討会も
そうだったのですが、
溶血があると血清亜鉛が
マスキングされるということ、
以外に知らない人が多いので
記事にします。
赤血球の中に亜鉛がたくさんあるよ!
血液中の亜鉛の約8割は
赤血球の中に存在します。
残り2割の亜鉛が血清中に
存在しており、採血データで
見ている「血清亜鉛」の値は
この血清中の亜鉛です。
溶血とは、赤血球が120日の
寿命を迎える前に早く壊れる
現象です。
原因は、採血時の衝撃てことも
あるけど、間接ビリルビンや
網赤血球が上昇しているときは
酸化ストレスが主な原因です。
赤血球て、核もミトコンドリアも
持たないので、抗酸化酵素を
量産することが出来ませんから、
膜のクオリティが命なのです。
つまり栄養状態の良し悪しが
出やすい部分。
参考記事はこの辺読んで↓
ランニングする人が注意したい溶血 | ビタミンアカデミー
スポーツする人に起こりやすい溶血性貧血 一口に貧血と言ってもいろいろあります。 例えば、、 30代、男性、マラソン好きの方のデータです。 ご覧のとおり、一般的な基準で判断すれば、 血色素(ヘモグロビン・Hgb)も15以上 ヘマトクリット(Ht)46以上。 男性らしい、なかなか立派な数値です。 ところが、この方、 赤血球にある問題があります。 それは・・・・、 赤血球が壊れる「溶血」とは? 実はこの
溶血があると、赤血球中の
亜鉛が漏れ出すので、
血清亜鉛の値が上昇します。
溶血があるときに、血清亜鉛の値が
ほどほどに高いのを見て、
「よし、亜鉛はオッケー」
などの判断をするのは時期尚早。
例えば、こちらのお方、
血清亜鉛の値が85です。
「亜鉛はまあまあいい感じですね~」
と言われたら、
「節子、それ亜鉛ちゃう、溶血や」
と返してください。
間接ビリルビンも網赤血球もアゲアゲ~♪
血清亜鉛は正しく読むのが難しいデータ
血清亜鉛には、日内変動もあります。
午前と午後では2割くらいデータが
変わるので注意が必要。
採血時間は必ず確認します。
詳しくはここ読んでお勉強を↓
血清亜鉛は採血した時間によって変動します【血液データの読み方】 | ビタミンアカデミー
血清亜鉛の読み方 亜鉛不足を判断する血清亜鉛。 健康診断で血清亜鉛のデータを 取ることはまずありませんが、 分子栄養学的にはかなり重要なので 必ずデータを取ります。 95~100程度を目安(健康値) としています。 が!しかし。 血清亜鉛には日内変動があるので、 採血の時間を必ず確認します。 血清亜鉛は午前中は高く、 午後にかけて低くなり、およそ 20~30程度低下します。 例えば、このような例。
血清亜鉛って重要なんですが、
読むのに注意点の必要なデータなので、
亜鉛不足はALPと症状、その方の
状況(成長期、怪我、手術、妊娠期など)
から判断するのがベターです。
今日のまとめ
- 血清亜鉛は溶血があると
マスキングされる(上昇する)