【採血データの読み方】亜鉛の値は溶血で上昇します

血清亜鉛の値は溶血で上昇します

溶血があると血清亜鉛がマスキングされるということ、意外に知らない人が多いので記事にします。

赤血球の中に亜鉛がたくさんあるよ!

血液中の亜鉛の約8割は赤血球の中に存在します。

残り2割の亜鉛が血清中に存在しており、採血データで見ている「血清亜鉛」の値はこの血清中の亜鉛です。

 

溶血とは、赤血球が120日の寿命を迎える前に早く壊れる現象です。

原因は、採血時の衝撃てこともあるけど、間接ビリルビンや網赤血球が上昇しているときは酸化ストレスが主な原因です。

赤血球て、核もミトコンドリアも持たないので、抗酸化酵素を量産することが出来ませんから、膜のクオリティが命なのです。

つまり栄養状態の良し悪しが出やすい部分。

参考記事はこの辺読んで↓

溶血があると、赤血球中の亜鉛が漏れ出すので、血清亜鉛の値が上昇します。

溶血があるときに、血清亜鉛の値がほどほどに高いのを見て、「よし、亜鉛はオッケー」などの判断をするのは時期尚早。

 

例えば、こちらのお方、血清亜鉛の値が85です。

「亜鉛はまあまあいい感じですね~」と言われたら、

「節子、それ亜鉛ちゃう、溶血や」と返してください。

間接ビリルビンも網赤血球もアゲアゲ~♪

血清亜鉛は正しく読むのが難しいデータ

血清亜鉛には、日内変動もあります。

午前と午後では2割くらいデータが変わるので注意が必要。

採血時間は必ず確認します。

詳しくはここ読んでお勉強を↓

血清亜鉛って重要なんですが、読むのに注意点の必要なデータです。

亜鉛不足はALPと症状、その方の状況(成長期、怪我、手術、妊娠期など)から判断するのがベターです。

 

今日のまとめ

  • 血清亜鉛は溶血があるとマスキングされる(上昇する)

 

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