血清亜鉛の読み方
亜鉛不足を判断する血清亜鉛。
健康診断で血清亜鉛のデータを
取ることはまずありませんが、
分子栄養学的にはかなり重要なので
必ずデータを取ります。
95~100程度を目安(健康値)
としています。
が!しかし。
血清亜鉛には日内変動があるので、
採血の時間を必ず確認します。
血清亜鉛は午前中は高く、
午後にかけて低くなり、およそ
20~30程度低下します。
例えば、このような例。
30代女性のデータです。
亜鉛が低くて一瞬ドキっとします。
ところが、採血時間を確認すると
ランチ後の3時間ほど経った
午後四時くらいだったとのこと。
時間帯的には血清亜鉛が最も
低下する時間帯です。
また、血清亜鉛は空腹時に上昇し、
食後2,3時間後に20%ほど低下する
という特徴があります。
このデータは血清亜鉛が一番低い
タイミングで採血されたもの
と判断されます。
この方の場合、
日内変動分を考慮し2割増しで
判断したとしても90には届かないので、
どっちにしても亜鉛不足なのはなのですが、
もし数値だけで判断して、
亜鉛サプリメントをメガ盛りすれば、
銅や鉄と拮抗するので
他のミネラルに影響が出ます。
ちなみに、血清銅は亜鉛と違って
日内変動がほとんどありません。
この方の場合、血清銅87とかなり低いので
造血やカンジダ等を疑います。
溶血があれば血清亜鉛は上昇する
溶血(赤血球が寿命を迎えずに壊れる現象)
があれば、血清亜鉛は上昇します。
血液中の亜鉛のおよぼ80%が
赤血球内の亜鉛だからです。
残り20%の亜鉛はアルブミンと
結合しています。
例えば、亜鉛が95と理想値であっても、
溶血の所見があればそれは亜鉛不足
と判断されます。
血清亜鉛は血清銅とのバランスが重要です。
だいたい同じくらいが望ましいです。
銅過剰はカテコールアミン系過剰
の方の特徴ですね。
銅過剰だと、キレやすい、感情的、
攻撃的になりやすいと推測します。
これ分子栄養学の基本のキ。
血清亜鉛は、日中のどのタイミングで
採血したのか?を確認しなければ
見誤ることになります。
「血清亜鉛は日内変動が激しい」
と覚えましょう!