サプリメントが増えすぎて困る問題
「サプリメントが増えすぎて、どれから減らしたらよいのか、困ってます」というお悩みはあるあるです。
栄養療法・分子栄養学に関する情報が豊富で手に入りやすくなりました。私が栄養療法を始めた12年前とは比較にならないくらいです。
私のところにご相談に見える方の多くが、栄養素やサプリメントに関する知識も熱心に収集されていらっしゃいます。
自分の身体を病院やお薬に丸投げするのではなく、自分の身体は”自分で面倒をみる”というセルフケア人が増えることはほんとスバラシイ。
だけど、熱心すぎるがゆえに、あれこれとサプリメントに手を出し過ぎて、「止めたいけど、どれを止めてよいのか分からない」というお悩みを聞くこともあります。
その場合、まずは手持ちのサプリメントを3つに分けることをおすすめしてます。
サプリメントを3つに分類する
手持ちのサプリメント類、まずは3つに分類してみてください。
グループA 毎日継続する基本のサプリメント
まず、グループAは、長年付き合う自分の相棒チーム。摂取頻度は基本毎日。
自分の遺伝上のウィークポイントを補ってくれたり、恒常性を維持する良きパートナーとしての栄養素です。
私の場合は、マグネシウム★、ビタミンB複合体、ビタミンC。
サプリメントというカテゴリーは入れてないけど、私にとってプロバイオティクスもこのグループ。ロイテリ菌★なんて長年の相棒そのもの。
グループAは、例えるなら、毎日着用する下着や普段着ですね。
グループB 必要なときのお助けサプリメント
グループBは、必要なときだけ助けてもらう助っ人チーム。摂取頻度は週一だったり、2,3日に1回だったり。
例えば、、私にとってCoQ10、ユビキノール★は、肉体的な疲労感が出そうなときの助っ人。
他には、腸の調子がいまいちのとき、もしくは胃腸の炎症がありそうなときは、グルタミン★、カルノシン亜鉛★、睡眠が浅いときはメラトニン★、などなど。
グループAが毎日着る快適な普段着や下着なら、グループBは肌寒いときにさっと羽織るカーディガンやジャケットです。
グループC 目的達成のためのサプリメント
グループCは、意図目的をもって、ある一定期間続けて使うモノ。摂取する期間は数週間から半年。
例えば、ニキビや乾燥肌を狙い撃ちにするためのビタミンAや、免疫のためのビタミンD★。
カンジダでSIBO★の症状がありそうだったらカンジダサポート★。
LDLコレステロールを低下させるためのナイアシン★といった具合。
押さえておきたいポイントは、狙いうちにしたい症状や、一定の目標のために使うという点。
例えば、血中25(OH)VDの値を60以上にするためのビタミンDとか、LDLコレステロールを120程度に落ち着かせるためのナイアシンとか、フェリチンを60に上げるための鉄、といった感じ。
数値目標をモニターして、自分の体感がどう変化するか、一定期間後に自分の身体の声を聞いてレビューすること。
狙いたい目的が達成されてないと感じたら、いったん止めてみる。
目標目的が達成されないのなら、もしかしたら的外れなことをしているかもしれません。人体は基本ブラックボックスですから、試さないと見えてこないことがあります。
グループCは、例えるなら、デートで着るかっこいいスーツや、イケてるファッションみたいなもの。彼女を口説くという目的のために用意する服。
でも、落としたい彼女が無反応だったら、そのファッションは似合ってないのかもしれない。目的が達成されないなら要見直し。
どのグループに仕分けするか?は個体差を考慮
どのグループにどのサプリメントが所属するかは個人によって違いが出てきます。
すべては個体差、分子栄養学の基本です。
例えば、遺伝的にピロールっぽい方は、毎日亜鉛を足さないと一定の体調をキープできないかもしれません。遺伝的にドーパミン過剰な方は継続的にナイアシンのサポートが要るかもしれません。
私の場合はビタミンBは毎日摂らないと調子悪いです。間違いなくグループA。それは私の腸内細菌のスペックゆえ。
もしビフィズス菌いっぱいの人だったらビタミンBは摂っても摂らなくても変わらないかもね★。
また、各グループの境界に厳密さはありません。グループ間を移動することもあるでしょう。
例えば、ビタミンDの血中濃度がある程度上昇したら、アレルギーの症状が出るときだけビタミンDを摂る(グループCからグループBへの移籍)
ある程度フェリチン値をキープしたら、生理前後にだけ鉄を足す(グループCからグループBへ移籍)といった具合です。
私にとってビタミンEは肌のざらつき、粉瘤解消のため(グループC)でしたが、なんだかんだ毎日続けていたほうが調子よいのでグループAに長年移籍したままです。
増えすぎたサプリメントの取捨選択
増えたサプリメントを取捨選択する場合、もっともリストラの対象にしやすいのはグループCです。
グループCは、一定期間継続してみて、目的達成されてない(効果を感じない)なら止めること。
鉄サプリなんか、一番良い例かもしれません。一定期間試して数値も体感も変わらないなら、炎症か、カンジダか、何かしら鉄の代謝を止めてる第三の要因が推測されるので。
なかには最初から目的があいまいだった、というケースもあります。
ネットか本で「○○に良いよ」という情報を得て、なんとなく始めてみたけど、さしたる効果も感じず惰性で続けているパターン。経験的にビタミンAなんかは、そんな距離感の人が多い印象。
そもそもの目的があいまいだから、定点観測しようにもチェックするポイントが分からない。であれば、早めに撤退。
グループBは、ライフハック的な存在なので、自力でなんとか乗り切るならサプリメントは不要です。
疲れに効くサプリメントを飲む前に、疲れないライフスタイルを目指すほうが100倍重要だし、眠れないときにメラトニン足すよりも、入浴したり部屋暗くしたり、睡眠改善の方法は他にいくらでもある。自分の人生ですから自分でハンドリング、頼りたいときは頼るも良し、無いなら無いなりに。
というわけで、グループAだけが最終的に残ります。
どうぞご参考に。