【低血糖症・副腎疲労】糖質制限してはいけない人とは?「糖新生のアラニン回路について」

糖新生「アラニン回路」

以前、肝臓で糖新生を行う際、乳酸脱水素酵素がとても重要になるということをこちらで書きました▼

【乳酸脱水素酵素・LDHが低い場合】疲れやすい人・糖新生が出来ない人・低血糖症の特徴 | ビタミンアカデミー
糖新生とは? 糖質制限ブームですっかり悪者扱いされている感のある「ぶどう糖」ですが、身体にとっては大切なエネルギー源であり、なくなってしまうと人間は生きていくことはできません。 血糖値が50を切ると、中枢神経がエネルギー不足で意識が朦朧とし、30以下で昏睡状態です。 もし、糖が供給されなければ、血糖値が下がり続けるかというとそういうわけではありません。 我々の身体には食事から糖を得る以外に、身体の

この「コリ回路」以外に、もう一つ重要な糖新生の回路が「アラニン回路」です。

肝臓でアラニンというアミノ酸がピルビン酸に変換されグルコースが作らます。

一方、筋肉ではグルコースがピルビン酸に分解されてアラニンが作られます。

このピルビン酸とアラニンの変換を担っているのが「ALT(アラニンアミノ基転移酵素)」という酵素です。

ALTとは、Alanine Aminotransferaseの略です。

日本語で「アラニンアミノ基転移酵素」と言います。

そう、健康診断で出てくる「AST/ALT」のあの「ALT」のことです。

低血糖症の人がなぜ低血糖になるのか?

低血糖症の人がなぜ低血糖になるのか?

それは糖新生が下手だからです。

食事で血糖(グルコース)を供給できるのは食後2時間程度です。

食後2時間を経過すると、筋肉に貯金されたグルコースを使うか、肝臓で糖新生が行われることで、血糖値が安定します。

 

ところが筋肉もなく、且つ肝機能も活性がない場合、糖新生がヘッポコですから、血糖値が安定しません。

エネルギー不足になった身体はアドレナリンやコルチゾールなど、非常用ホルモンでなんとかしのごうとします。

低血糖症と副腎疲労は併発しやすく、お腹と背中みたいな関係である理由が分かるかと思います。

 

 

糖質制限できないタイプを血液データで判断するコツ

前回こちらで書きました乳酸脱水素酵素(LDH)の健康値は180前後です。

ASTの健康値は20程度です。

 

例えば、データを拝見してLDHは150以下で、ASTも15など、酵素活性が明らかに低いこと分かる場合、

こういった方が食後の眠気や疲労感を訴える場合、糖新生が下手で低血糖症である可能性が高いです。

たいていの場合、見た目は筋肉がなくて痩身か、肉がついていてもプヨプヨ、問診で便通が健全でありません(リーキーガットによる肝機能が低下が推測可能)

 

低血糖症の治療には、まずは糖質の過剰摂取を控えなければなりません。

しかし、ガチガチの糖質制限をすれば、自律神経を乱すことになり、副腎疲労が悪化するでしょう。

糖質制限をして最初は元気になった気がしますが、実は単なるアドレナリン優位になっただけ、というのはよくあるパターンです。

こういった方の場合、精製された糖質(白米、パン)は禁止して当然ですが、良質の糖質(精米度の低いお米やレジスタントスターチなど)で適当な糖を補ったほうが良いと判断します。

 

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