ビタミンD3とビタミンD2の違い
食品から得られるビタミンDには2種類あります。
・切干し大根や干し椎茸に豊富な植物性のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)
ビタミンD3も、ビタミンD2も、体内での代謝経路は同じで、肝臓で活性型ビタミンDの前駆体である「25(OH)D」に変換されます。
(以前、VD2は、VD3の前駆体と勘違いしておりましたが、VD2も直接25(OH)Dへ変換されます。訂正)
「25(OH)D」は、活性化される前のビタミンDで、ビタミンDの貯金みたいなもんです。血液検査で計測するのは、この25(OH)D の値です。
ビタミンD2、ビタミンD3を比較すると、動物性のビタミンD3のほうが、より効率的にビタミンDの血中濃度 25(OH)Dを上昇させることが分かっています。
VD3のほうがより効果的ということで、現在市販されているサプリメントは、ほとんどがVD3タイプです。
サプリメントによるビタミンD血中濃度の変遷
昨年までは、Nature’s PlusのビタミンDを愛用していました。
ビタミンDの優れた効果!アンチエイジングにもアレルギーにもおすすめな件 | ビタミンアカデミー
これはベジタリアン用のサプリメントで、キノコ由来のビタミンVD3が、1カプセルあたり 2,500IUです。
植物由来であればVD2(Ergocalciferol)であるはずなのに、キノコが原料でVD3(Cholecalciferol)とはなにゆえ??と疑問に思いNature’s Plus社に問い合わせました。
「VD2をVD3に変換する技術か何かをお持ちなのか??」とメールをしたら、全く返事が来ない。3回メールして諦めました。個人的に、Nature’s Plus社への信用失墜。なので、現在は他社製に切り替えました。
しかし、Nature’s PlusのビタミンDでも、ちゃんと血中濃度は保たれており、十分効果はありました。
以下、私のビタミンD血中濃度の変異とサプリメント履歴です。
2回目 48.0 ng/mL(2014/10) ←医療用サプリ 10,000IUを毎日
3回目 31.7 ng/mL(2015/10) ←過剰摂取を無駄に気にしてVDを減量したら低下
4回目 40.7 ng/mL(2016/9) ←ネイチャーズプラス社キノコ由来 2,500IU
Nature’s PlusのVDが、VD2か、VD3かという疑惑はともかく、効果は認められたので結果オーライです。羊毛由来のサプリなんて嫌だ!という方は、Nature’s Plusのキノコ由来でも良いかと思われます。
理想のビタミンD血中濃度はどれくらい?
ビタミンDの血中濃度を測定するのは、時間(約1ヶ月)もお金(¥6,000〜¥7,000)もかかります。
あまり調べる人はいないと思いますので、ここは厚生労働省のデータ(日本人女性)を参照すると、一番低いのが、2月の新潟(20代女性)で 13.6 ng/mLです。
これは、かなりやばい値です、くる病のリスクが上がるレベルです。
一番高いのが、9月の新潟(50代女性)で 33.2ng/mL
夏と冬でこれだけの違いがあるんですね。「冬期うつ」という言葉があるくらい、冬に気分が沈みやすいのは、ビタミンD低下も大いに影響します。
くる病と言って思い出すのが、小公女ハイジのクララです。
くる病は骨が変形する病気です。
歩けなくなるのは重症なんですが、くる病ちょっと手前の女性って、けっこう多い気がします。
日本人女性は美白ブームで、日光浴を極端に嫌う傾向にあります。
O脚、X脚など、日本人女性の脚が変形しがちなのは、正座のせいじゃなく、日光浴不足もあるんじゃないかと思います。
いまどき正座ってそんなにしますかね??
生活習慣病、免疫疾患とは無縁と言われるマサイ族の平均が 46ng/mLです。
日本人の平均が、20ng/mL程度ですから、マサイ族はおよそ2倍です。
屋外で過ごすことが圧倒的多いので、もっと高い数値かと思いきや、そこまで飛び抜けているわけではありません。
というのも、ビタミンD合成能力は、メラニン色素が薄い人種ほど強い。
つまり、黒人や肌の色の濃い人は皮下でのビタミンD合成能が劣ります。
皮膚ガンになりやすいのはメラニン色素の薄い人種です。
ビタミンDを皮膚下で作る能力は、紫外線の害から皮膚を防御するため、という仮説を裏付けているような気がします。
【ビタミンDの過剰症について】なぜビタミンDは皮膚で合成されるのか | ビタミンアカデミー
最新の研究では、ビタミンDの血中濃度を 40ng/mL〜60ng/mL に保っておくと、あらゆる疾患の予防的効果が期待できるとされています。
現在私が飲んでいるのは、Healthy Originsの5,000 IUなんですが、5回目の検査結果待ちです。
もし、これで 50ng/mLをキープできていれば、4ヶ月分で¥500以下ですから、ビタミンDはたいへんコスパの良いサプリメントだと言えます。私がVD押しの理由の一つです。
【ビタミンD】花粉症・アレルギー性鼻炎にビタミンDがなぜ有効なのか? | ビタミンアカデミー
ビタミンD2は骨の健康に寄与
ビタミンD2は植物性で、動物性のビタミンD3に比べて効率が悪い。
だからと言って、干し椎茸とかキクラゲとか食べても無駄じゃね?とは思わないでください。
骨密度が優位に高くなるのはビタミンD2という結果があります。
これはマウスを使った実験ではありますが、ビタミンD3に比べると25OHD血中濃度は低いのだけど、ビタミンD2は、D3より優位に骨密度を高くしたという結果です。
ビタミンD2は、D2なりの作用があると認識すべきなんでしょうね。
しかし、干し椎茸や切り干し大根などの乾物は、今はほとんど工場で乾燥させるので、VDの効力ほとんど無しなんてことも。
その場合、調理前に短時間紫外線に当てると、ビタミンDの量がぐーんとアップします。
東京農大の江口文陽教授によると、1時間の天日干しで、ビタミンDは2倍になるそうです。
べつに椎茸だけじゃなく、干しえのき、干しエリンギ、干ししめじ、全部同じらしい。
キノコを天日干ししてセミドライにすると、独特の出汁と歯ごたえが出るのでとても美味しいです。とくに干しエノキダケはおすすめ。
昔、ばあちゃんが、なんでもかんでも庭先でザルに広げて干してました。
たけのこ、椎茸、白菜、大根、みかんの皮など。
あれって、骨粗鬆症予防にかなり効果を発揮してたんじゃないでしょうか。
昔の人の知恵はなんとすばらしい。
紫外線でビタミンD合成に効率的なのは?
皮膚下でビタミンDの合成を促進するのは、主にUV-Bなので、窓ガラスを通した太陽光だと効果は半減します。
車の運転で腕が真っ黒に日焼けして「あービタミンDばっちり〜」とはなりません。
身体の中でメラニン色素の少ない部分が、ビタミンD合成には効果的です。
メラニンの影響が少ない部分、それは「手のひら」
人種の違い、色黒さん、色白さんも、手のひらのメラニン色素はほとんど違いがないそうです。
NHKの「ガッテン」でも、手のひらを太陽に当てよ!と言っております。
夏場なら15分以上、冬場で30分以上、手のひらを直接太陽にかざす。
これならお年寄りでも簡単に出来そうですね。
「手の平を太陽に〜♪」という歌がありますが、あれは骨粗鬆症予防の歌ということで、真面目に骨粗鬆症学会あたりがキャンペーンはっても良さそうw
キノコも人間も、太陽に当たるべし。
サプリも飲まずに免疫活性、タダで花粉症対策できる方法、それは手の平を太陽にかざすだけ。
花粉症だと無駄に外出してアレルゲンに曝露されるのはおすすめできませんが、夏になったら存分に日光浴するのを推奨しときます。