ゼラチンの主成分「グリシン」は抑制系の神経伝達物質で安眠効果あり

ゼラチンが睡眠の質を良くする?

神経を抑制するグリシンというアミノ酸があります。

「グリナ」という安眠用サプリメントの主成分がグリシンです。

 

実は、ゼラチンの主成分が「グリシン」でして、ゼラチン10g食べると、グリナ1回分なんですな。

某大手掲示板で「眠れない時にゼラチンが効く!」という板が盛り上がったこともあります。

 

私は昨年から、ほぼ毎日ゼラチンをドリンクに入れて飲んでおり、肌の保湿力が上がったと実感しているのですが、そういや睡眠の質も良くなった気がする。

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グリシンは抑制系の神経伝達物質

グリシンには、神経の興奮を抑える働きがあります。

グリシンの安眠効果は偶然発見されたらしいです。

アミノ酸研究では一線を画す某A社が、他のアミノ酸の調査をしている時、プラシーボ(偽薬)としてグリシンを利用したそう。

グリシンを飲んだ研究員の奥さんが、いつもと違ってイビキが少なく、ぐっすり寝ることを発見。研究員本人も昼間の眠気が少なくスッキリ感がある。
どうやらグリシンには安眠効果があるらしいぞとなったらしいです。

そこから調査が始まって、某A社が発表したのがこちらです(2012年)

The Effects of Glycine on Subjective Daytime Performance in Partially Sleep-Restricted Healthy Volunteers

 

実験に参加しているのが、たった7名てどうなのよ?て感じもしますが、グリシンの経口摂取で睡眠の質が良くなることは、東大の先生が作用機序を解明済みです。

アミノ酸グリシンによる睡眠改善効果の作用機序解明

 

米国では、グリシンの神経抑制作用が評価されており、統合失調症やコカイン、アルコール中毒患者の回復セラピーにも利用されているようです。

Glycine transporters as novel therapeutic targets in schizophrenia, alcohol dependence and pain
Glycine transport inhibitors in the treatment of schizophrenia.

 

なんらかの生理的活性を持ったアミノ酸を「機能性アミノ酸」と呼びます。
オルニチンの肝臓への作用、グルタミンの腸粘膜への作用などが、機能性アミノ酸の代表です。

グリシンは、脳神経に対して抑制系に働く機能性アミノ酸と言えます。

 

同じ抑制系神経伝達物質のアミノ酸としては、GABAと似ています。

安眠効果以外にも、緊張状態の緩和、ストレス軽減、集中力の増加などが期待できます。
機能性アミノ酸の良いところは、もともと体内にたくさんある成分なので、副作用や飲み合わせを気にしなくて良いところですね。

GABA入りのチョコレートが売りに出されるくらいなのに、グリシンはあまり有名ではない気がします。
GABAに比べて製造コストが安いので、売値に反映させにくいという商業的理由があるんでしょうかね?

グリシンの抗炎症作用

神経抑制以外にも、グリシンには抗炎症作用が認められており、好ましい研究結果が豊作なんです。

・グリシンには抗炎症性、免疫調節性、細胞保護作用がある(2003年ノースカロライナ大学)
L-Glycine: a novel antiinflammatory, immunomodulatory, and cytoprotective agent.

 

・グリシンは、糖尿病患者のインスリン抵抗性、炎症性疾患を予防する(2008年メキシコ・メトロポリタナ大学)
Glycine regulates the production of pro-inflammatory cytokines in lean and monosodium glutamate-obese mice

 

・グリシン補給は骨格筋の炎症を軽減、癌悪液質の筋肉タンパク質分解に関連する遺伝子の発現を低下させる(2014年メルボルン大学)
Glycine administration attenuates skeletal muscle wasting in a mouse model of cancer cachexia.

 

癌患者が筋肉減少で痩せていくのを予防できるなんて、素晴らしい。
これはグリシンに特異的な効果だったそうで、マウスレベルの実験結果とはいえ、かなり期待できるんじゃないでしょうか。

 

思うに、ゼラチンが骨格筋損傷の回復を早めるという効果も、ゼラチンに含まれるグリシンに依るところも大きいのではないかと。

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グリシンは食品添加物

実は、グリシンはその甘さを利用し、日本では昔から食品添加物として利用されております。

1kgで1,500円、食品添加物に利用されるくらいですから、めちゃくちゃ安いです。

水素原子が一個だけの単純構造なので製造が簡単なんでしょうね。

A社のサプリはかなりぼったく・・(以下略

 

睡眠障害に対する効果は、1回に3g、就寝前の1時間前に飲むと効果的とのこと。

 

私は美肌効果も狙って、毎日ゼラチンをホットティーにINしてます。

ゼラチン 5g に含まれるグリシンは 1500mg

ゼライスのスティック2本でグリシン 3g です。

手軽で安い、肌もモチモチになるし、神経抑制系としてストレスコントロールにもなる。

トレーニングの骨格筋損傷にも効くし、さしたるデメリットがない

引き続きゼラチン愛用します。

 

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