ビタミンB不足をAST/ALTで判断するコツ
AST/ALTは別名を「逸脱酵素」と言います。
酵素が反応を起こすには、補酵素が必要です。
AST、ALTの補酵素はビタミンB6です。
ビタミンB6が不足していれば、補酵素が不足しますので、酵素はあっという間に活性を失い、寿命が短くなります。
特に顕著なのが、ALTです。
ASTに比べて、ALTのほうが寿命(半減期)が長いので、補酵素不足で失活する影響が大きく、数値としての変動がわかりやすいのです。
ASTに比較して、ALTのほうが2以上低下していると、ビタミンB6不足を疑います。
私の検査結果を見てみます。
5年前の初期データ
ASTが24、ALTが19、その差分は5、ビタミンB6不足の疑いあり
一昨年のデータ、この時のデータはかなり優秀
ASTが25、ALTが24、その差分は1、やはりビタミンB飲んでたほうが調子いい
分子栄養学ではビタミンBは超重要です。
エネルギー代謝のあらゆる段階で必要ですし、健全な脳内ホルモンにも欠かせないからです。
しかし、腸内環境の悪化(ビタミンBを作る善玉菌の不足)や、糖質過剰な食事(糖代謝でビタミンB消耗)で、現代人のほとんどの人で不足気味です。
ビタミンB6が不足する場合の症状です。
・興奮しやすい
・集中力の欠如
・気分の動揺
・睡眠の質の低下、眠りの浅さ
ビタミンB6が不足すると、精神状態の症状に顕著に出ます。
それは、ビタミンB6が、トリプトファンからセロトニン、メラトニンが作られる時に必要な補酵素だからです。
自分に自信がなくて、幸せ感が薄い人、
検査結果を見るとAST/ALTが低値となれば、それは性格じゃなくて単なるビタミンB不足という可能性もありかと。
ビタミンBのサプリメントで、メンタルが安定して、自己評価が高くなるケースは多いようです、というか、私がそうでしたw
脂肪肝によるマスキングを見逃すな
健康診断の AST/ALTの値で、糖質過剰、たんぱく質不足があるかどうか、
ある程度判断可能なことはこちらで書きました。
【隠れ脂肪肝】タンパク質不足・糖質過多による肝臓の炎症をAST/ALTで診る | ビタミンアカデミー
ここで問題なのは、脂肪肝とビタミンB6不足が混在するパターンです。
ビタミンB不足により、酵素は不活性気味なのに、脂肪肝によるALTの上昇がある場合、
低値を表す状況と、高値を表す状況が混在しますので、結果的に正常値を示してしまうのです。
ビタミンB6不足による酵素活性低下で、脂肪肝を起こす確率が高くなりますので、このパターンは多く発生しがちです。
食事内容を聞いて、全体の雰囲気から、どう考えても脂肪肝がありそうなのに、ALTが正常値に入っている人。かなり怪しげ。
その場合、ビタミンB6のサプリメントを摂ることによって、AST/ALTの値が急に大きくなったりします。
一般的な認識だと「数値が上がることが悪いことだ」と思っていますので、サプリメントで悪化した!となりますw
いやいや、ちゃいまんねん。
それって、ただマスキングが取れただけですねんw
ビタミンBのサプリメントは葉酸に注意する
ここ1年はソーン・リサーチ社のBcompを愛用しています。
この内容でこの価格は他のメーカを圧倒していますね。日本だと医療サプリレベル。
やっと理想のBcomplexに出会えて満足です。
Thorne Research, ストレス B-複合体, 60 ベジカプセル
一般的なビタミンB6の「ピリドキシン塩酸塩」が25mg
活性型ビタミンB6の「P5P(ピリドキサール5リン酸)」が3.4mg、合計28.4mg配合
ビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)は、肝臓で活性型のP5P(ピリドキサール5リン酸)に変換されます。
変換する手間が不要なので、より効果が期待できます。
ソーン・リサーチの「ストレスB」に含まれる葉酸は、200mcgです。
日本で販売されているサプリと同じ程度の分量なので私には丁度良い感じです。
同じソーン・リサーチ社でもベーシックタイプは倍量の葉酸となりますから、「ストレスB」は低メチレーションタイプ向けですね。
低メチレーションタイプ、ヒスタミンの多いアレルギー体質の場合、過剰な葉酸で具合が悪くなることがあります。
私はそのタイプで、以前、過剰な葉酸で不眠の症状が出ました。
その時飲んでいたのは、Country LifeのBコンプレックスで、1日あたり800mcgの葉酸摂取となります。
海外のサプリでは一般的な量です。
葉酸の身体への作用と、脳内の作用は別であることに注意が必要です。
ビタミンB選びはけっこう難しいな、と思いました。
MTHFR遺伝子タイプも変異無しでしたし、私の場合は、葉酸の量はおまけ程度で良いタイプなのです。
「葉酸サプリの選び方」 天然型か?人工葉酸か? MTHFR遺伝子を検査してみよう! | ビタミンアカデミー
改善するはずの葉酸で、なぜイライラや不眠などの症状が出る人がいるかは、かなり複雑な機序となります。
宮澤先生の説明はプロ向けですが、これでもかなり分かりやすいほうですw
なぜ、低メチレーション状態の人に、葉酸を投与すると悪化することがあるのか?
難しいことを平易に説明するチャレンジには燃えますので、近日中に私も書いてみようと思います。