働きモノタンパク質「アルブミン」~結合能による5つの抗酸化作用~

働き者タンパク質「アルブミン」の抗酸化能力

まごめじゅん

採血データのアルブミン値をご存じ?運搬トラックとして働いたり、抗酸化物質として働いたり、めちゃくちゃ働き者のタンパク質「アルブミン」は要チェックですよ。

栄養学上、血液中で最も重要なタンパク質は「アルブミン」

アルブミンは、水分や薬剤をはじめとする、さまざま物質の運搬タンパク質として働いています。

アルブミンの、運搬以外のお仕事、それは身体を酸化ストレスから守ること。

アルブミンは他の物質と結合することで、抗酸化物質としての作用を発揮します。

他の物質と結合することによるアルブミンの5つの抗酸化能力をまとめます。

① ミネラルとの結合して抗酸化

鉄イオンや銅イオンは、酸素と反応して活性酸素を発生させます。

遊離した鉄と過酸化水素(H₂O₂)が反応すると、毒性の強いヒドロキシラジカルが作られる「フェントン反応」なんかが有名

アルブミンは鉄イオンや銅イオンとくっついて、フェントン反応を防ぐという役割を果たしている。

実際に、鉄過剰症の人の血液では、鉄と結合したアルブミンが大量にみられるとのこと。

アルブミンと結合した鉄、銅はフェントン反応を起こしにくく、ヒドロキシラジカル発生を予防している。

The antioxidant properties of serum albumin.,doi.org/10.1016/j.febslet.2008.04.057

② 脂肪酸と結合して抗酸化

アルブミンはリノール酸やα-リノレン酸などの多価不飽和脂肪酸とくっつきやすいという特徴がある。

アルブミンとくっついた脂肪酸は、過酸化反応を起こしにくい。

結果、アルブミンは脂肪酸の酸化を防ぐことに貢献している。

アルブミンと結合した多価不飽和脂肪酸(PUFA)は、酸化損傷から保護されている

The antioxidant properties of serum albumin.,doi.org/10.1016/j.febslet.2008.04.057

③ コレステロールと結合して抗酸化

コレステロールは酸化すると「オキシステロール」となる。

オキシステロールは生理活性が高く、動脈硬化などを起こす原因になりやすい。

アルブミンは、オキシステロールと結合する性質がある

つまり、アルブミンは酸化コレステロールとくっつくことで、その有害性を低減させている。

アルブミンはオキシステロールの有害な影響を制限している。

The antioxidant properties of serum albumin.,doi.org/10.1016/j.febslet.2008.04.057

④ ビリルビンと結合して抗酸化

アルブミンは、ビリルビンと結合して脂質の過酸化を防ぐ働きをしている。

アルブミンと結合したビリルビンはビタミンA、ビタミンEの保護作用があります。

アルブミンは、ビリルビンとくっつくことで間接的に抗酸化力を強化する模様。

アルブミンと結合したビリルビンはレチノールを酸化から保護している

Antioxidant Activity of Bilirubin Covalently Bound to Serum Albumin for H2O2-Mediated Oxidation of Retinol in Vitro., Proc Natl Acad Sci USA. 1987 Aug;84(16):5918-22.

⑤ ホモシステインと結合して抗酸化

ホモシステインはタンパク質の代謝物で、溜まりすぎると血管を老化させる直接的な原因となります。

アルブミンはホモシステインと結合して、その悪い作用を弱める働きをしています

アルブミンの抗酸化活性は、ホモシステインに結合する能力に由来する

The antioxidant properties of serum albumin.,doi.org/10.1016/j.febslet.2008.04.057

アルブミンの抗酸化能力

アルブミンに抗酸化作用があるということを知らない人も多いです。

アルブミンには、「還元型アルブミン」と、「酸化型アルブミン」があるという記事を以前書きました(↓)

タンパク質の状態はアルブミンが目安

身体の栄養状態が、どのように老化、病気を作るベースを作るか?を理論的に説明するには、タンパク質の状態が最も重要になります。

そのタンパク質の状態の良し悪しは、どこで決められるのか?というと、その目安のひとつが「アルブミン」です。

アルブミンが他の物質と結合する力を利用することで、身体はさまざまな酸化ストレスから守られているということ。

栄養素は単体でその”量”を論じても無意味。例えば、鉄サプリの過剰やコレステロール値の上昇が問題となるとき、アルブミンの状態によって結果は個体差が生じるわけです。

アルブミン値の低下は健康状態低下、老化を表す

採血データを見てみてください。

タンパク質の項目に「アルブミン」というデータがあるはずです。

アルブミン値は、身体の若さ、抗酸化力、健康度を表します。

老化が進んだ方や、炎症がある方、不健康な方は、アルブミン値が低下します。

健康な方のアルブミン値は 4.5 g/dl を目安にします。

アルブミン値が低いのはあまり良いことではない・・

ご自身のアルブミン値、ぜひチェックしてみてくださいね。

  

アルブミン関係の記事は以下もどうぞ↓

  

今日のまとめ

アルブミンは以下の物質とくっつくことで身体を酸化から守る抗酸化力を発揮する。

  1. 鉄や銅などの遊離ミネラル
  2. 不飽和脂肪酸
  3. 酸化したコレステロール
  4. ビリルビン
  5. ホモシステイン

  

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