白髪の原因はストレスだと証明された件
「有効な白髪対策ってあります?」と、よく聞かれるのでいったんまとめます。
白髪の原因ですが、1年前にハーバード大学の研究チームがカテコラミン系との関係を明らかにしております。
ストレスによる神経伝達物質ノルアドレナリンが毛根細胞を過剰に活性化させ、メラニン細胞が枯渇して白髪となる
Hyperactivation of sympathetic nerves drives depletion of melanocyte stem cells., Nature. 2020 Jan;577(7792):676-681.
とどのつまり、白髪の原因はストレスによるノルアドレナリン。
いわゆる過剰なストレスホルモンのせいだって証明された。
ストレスな出来事に反応して、増えすぎたノルアドレナリンが毛根付近の細胞を過剰に活性化させ、メラニン細胞が枯渇してしまうので白髪発生!となる模様。
副腎を取り除いてコルチゾール分泌をゼロにしても白髪は発生したとのことで、同じストレスホルモンでもコルチゾールは関係なし。
過去、「白髪は免疫細胞がメラニン細胞を攻撃した結果かもしれない」という報告があったため、免疫細胞も調べたようですが、免疫異常も関係なかったとのこと。
「ストレスで白髪が増える」という、何の新鮮味もない着地点なんですが、ハーバード大学でNature掲載。
え。そんなすごい発見なん?
白髪の原因なんて今まで詳しく調べようとした人がいなかったんでしょうね。白髪になったところで、命に別状はありませんし。
「どんな栄養素が不足すると白髪が増えるか」考察
さて、白髪がノルアドレナリンの仕業だと分かった。
これに対して、分子栄養学独特の見解をぶつけてみます。
まず、ストレスで激増したノルアドレナリン、アドレナリンは、速やかに代謝して捨てましょう。
ノルアドレナリン、アドレナリンを代謝して捨てる酵素はCOMT、MAOです(★)
COMT、MAOの補酵素は、ビタミンB6(★)
COMT、MAOのメチル基は、メチレーションから持ってくるから、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸が要るよね。
このあたりをうまく回せてて、不足させちゃダメ。
あと、ノルアドレナリンをアドレナリンに変えるのには、コルチゾールが必要。(★)
副腎疲労だとノルアドレナリンばかり溜まるということ。
健全なコルチゾールレベルが保たれてるべし。となるとビタミンCは必須です。
あとは、ノルアドレナリン増えすぎは、銅過剰を意味します(★)
銅過剰を押さえるのは亜鉛。つまり亜鉛不足も要注意。
白髪予防に良さそうな栄養素を勝手に推測 ・COMT、MAOの補酵素ビタミンB6 ・メチレーションのビタミンB6、ビタミンB12、葉酸 ・コルチゾールのためのビタミンC ・銅過剰を押さえる亜鉛
無理やり考察です。こういうのアレコレ考えるのがマニアの喜び。 (ΦωΦ)フフフ
白髪の社会人類学的考察
この論文のあと、研究チームのおひとりがある記事を書いていて、その後半部分がめっちゃ目をひきました。
ストレスによって引き起こされる白髪には進化上のメリットがある。
白髪はほとんどの場合年齢に関連しているため、経験、リーダーシップ、信頼を表す。
たとえば、背中が白髪になったオスのシルバーバックマウンテンゴリラは、ゴリラの軍隊を率いる資格を得る。
白髪は「稼ぐ」のに十分なストレスに耐えた動物で、社会の中でより高い地位にあることを意味する。
Fight or flight turns hair white., Nature. 2020 Jan; 577(7792): 623–624.
博士曰く、「白髪があるということは、戦いのストレスをくぐり抜けてきた証拠である。」
「社会人類学的には、白髪があるということは、経験も豊かで、社会的に地位が高く、信頼ある人物であるという印象を与える。」
白髪って悪いもんじゃないよという、なんかほっこりするコメント差し込んでて、個人的に「やだ、この人オモロ。好き。」と思った次第です。
そこでまた無駄考察なのですが、見た目で経験値や強さをアピールするために、生物はわざと毛を白くする機能を持ったのではないかと。
「オイラはこんだけストレスをくぐり抜けてきたんだぜ、オレ強者!」みたいな。
人間(動物)の身体がやることには一切無駄がないので、そんなことを連想しました。
今日のまとめ
白髪の原因はストレスによるノルアドレナリン