東日本大震災のあと「くる病(ビタミンD不足)」が増えた理由
東日本大震災後に「くる病」発症
のレポートを興味深く読みました。
東日本大震災と福島第一原発事故を契機にビタミンD欠乏と日光曝露不足により発症したビタミンD欠乏性くる病の1例
くる病はビタミンDの不足でおこります。
ビタミンDは紫外線に当たることによって
皮下で合成されるビタミンです。
17世紀のヨーロッパで
急激な工業化社会への変貌により
都会では、大気汚染などの影響で
日照時間が極端に減少。
手足の骨や背骨が変形し、
歩行が困難になる「くる病」が
流行しました。
「ノートルダムの鐘」というディズニー映画に
背中の曲がった男が出てきます。
「セムシオトコ」と呼ばれた彼の病気は
くる病だったのでは?と言われています。
その昔、ビタミンD不足はわりと
よくある病気だったのですが、
現代の日本でも実は増えている
と言われています。
上記のレポートの例ですが、
くる病発症の理由は、おそらく以下2点でしょう。
① 震災の影響で、原発事故の悪影響を心配して
外で遊ばせなくなった
(日光浴によるビタミンD合成が減少した)
② 同じく原発事故の影響による海洋汚染を心配して、
海産物を食べさせなくなった。
(ビタミンDの供給源となる魚を食べなくなった)
ビタミンDは脂溶性のビタミンです。
鮭、イワシ、秋刀魚など、
魚の脂に多く含まれています。
(同じ脂質でも牛、豚、鶏には
ほとんど含まれていません。
なぜ海洋性生物にビタミンDが多いのか
生物学的な進化の背景が何かあるのかもしれません)
日本は南北に長い国です。
南の日照時間の多い九州や、本州の南は
日光浴する機会にも恵まれます。
反対に、北海道や東北は
日照時間が短くなりますが、
ビタミンDを含むお魚の産地です。
魚の中では、鮭、秋刀魚など
北海道から東北にかけてよく取れる魚に
ビタミンDは多く含まれます。
南の九州や四国で取れるサバや太刀魚なんかに
比べるとすごく多いです。
地産地消で栄養素が賄えるように
自然の摂理はうまく出来ているなと
感心する事実です。
とはいえ、東北・北海道の方が
ビタミンD不足ではないとは全く言えません。
現代では、地産地消とは言えない食生活です。
日本人全体が、お魚を食べなくなったので
全国どこへ住もうとビタミンD不足は深刻です。
ビタミンDについては、過去にも
たくさん記事をアップしてきました。
私はビタミンDマニア、ビタミンD大好き♪
細胞の分化に関するビタミンDとか↓
子宮筋腫・子宮内膜症とビタミンD | ビタミンアカデミー
ビタミンDとマグネシウムとか↓
ビタミンDの恩恵を受けられる人と弊害が出る人の違い | ビタミンアカデミー
一押しはビタミンDの免疫への作用↓
【ビタミンD】風邪で欠勤・欠席しがちな人はビタミンD不足というデータ | ビタミンアカデミー
ビタミンDの不足のくる病ですが、
その症状は脚の変形です。
手持ちの症例ビジュアルブックによる
ビタミンD不足(くる病)のイラスト↓
ところで、、
80年代のアイドルは、X脚かO脚と
相場は決まっておりました。
あれってもしかしたら、、
「ビタミンD不足だったんじゃあ??」
とマニアな私は想像してしまうわけです。
壊血病は無くなりました。
けれどビタミンC不足の人はたくさんいます。
くる病も少なくなったとはいえ、
ビタミンD不足の人は非常に多いです。
例えば、
ぶつけてすぐアザ(皮下出血)がおきたり
歯茎から血が出る(毛細血管の脆弱化)
はビタミンC不足でおこるので「プチ壊血病」
と言い換えることも出来ます。
成長過程でビタミンD不足が起これば、
脚がX脚に変形したり、O脚になったり、
これも「プチくる病」と言い換えることが
出来るのではないかと思います。
アイドルのミニスカートを見て、
ビタミンDの過不足を推測する
それがマニアというものです。
今日は以上です。