炭酸水・ウィルキンソンをおすすめしない理由【夏の水分補給】

7月にフランス、イタリアを回ってきました。

さすがフランス、朝食のビュッフェに平然と鎮座するバターの塊!

このバターがもう美味しいのなんのって。

ずっとバターだけで食べていられるくらいでした。

 

フランス、イタリアで感じたこと。それは、

「ああ、やっぱり日本人はミネラル不足になりやすいな」

てことでした。

 

夏のヨーロッパは紫外線も強く、昼間が長いです。

パリの午後9時、日本の感覚なら午後5時くらいの明るさ。画像補正・明るさ調整なしでこれ。

緯度でいうなら北海道より北ですしね。

太陽が出ている時間が長い分活動量も増えるし、なにより乾燥が半端ないので喉が渇きます。

 

どこへ行ってもとにかくペリエ

人生でこれほどペリエを飲んだ数日間はありません。

 

イタリアではサンペレグリノ

 

レストランやカフェでお水を頼むと「gas or no gas?」と聞かれます。

「ガス」とは炭酸ガスのこと。

つまりガス入りウォーターか、ガス無しウォーターか?と聞いてきます。

 

我々は炭酸水が大好きなので、当然どこへ行ってもガス入りを飲んでました。

これは「アクアネピ」というメーカ

もともと水道水を飲む習慣のない欧州では、とにかくボトルウォーターの種類が豊富。

発泡水もめちゃくちゃたくさん種類がありました。

 

そして、その味。

日本人からすると一瞬「え、、」と戸惑うくらい味が「固い」のです。

発泡水と炭酸水の違い

発泡水と炭酸水は違います。

発泡水とは、ミネラルウォーターの原料となる水そのものに天然の炭酸が含まれている水のことです。

炭酸水とは、二酸化炭素を加えて人工的に気泡を加えたお水のことです。

 

つまり、発泡水とはミネラルウォーター(硬水)を採取した時点で自然に気泡が入っているもののこと。

ヨーロッパでは天然の発泡水が基本です。

 

日本でも発泡水がブームです。

ブームの火付け役はウィルキンソン。

 

以前はウィスキーを割ってハイボールを作るもので、

スナックやバーでしか見かけることのなかったウィルキンソンですが、

いまでは普通の家庭でも常備するのが一般的になっています。

ウィルキンソンは炭酸水(人工的に二酸化炭素を加えた水)です。

炭酸水ウィルキンソンの弱点、それはミネラル不足です。

 

アサヒ飲料によると、ウィルキンソンに含まれるミネラル成分(100mlあたり)は

ナトリウム 0mg
カルシウム 0mg
マグネシウム 0mg
カリウム  1mg/L未満
硬度 0mg/L

これは微量ミネラルが限りなくゼロ、つまりウィルキンソンは超軟水ということです。

おそらく、、ですが、工場でろ過した純水を使用しているのではないでしょうか?

くみ上げたままの天然水を原料としていれば、これほどミネラルが少ないということはありえません。

(食品業界のちょっとしたトリビアですが、サントリーは天然水を使うことが多く、アサヒ飲料はろ過した純水を使うことが多いようです。)


さて、ヨーロッパの発泡水はどうでしょう?

ペリエ

ナトリウム     1.18mg
カルシウム    15.5mg
マグネシウム   0.68mg
カリウム  0.13mg
硬度(1Lあたり) 約415mg

 

サンペルグリノ

ナトリウム   35.0mg
カルシウム   185.6mg
マグネシウム  52.5mg
カリウム    2.5mg
硬度 674.0mg

 

分かります?この違い。圧倒的にミネラルが豊富です。

これが味の違いで飲んだ瞬間「固い」という印象になります。

 

イタリアのホテルの部屋にサービスで常備してあった水です。

発泡水ではありませんが、かなり固い。

成分を確認してみますと、

ナトリウム   9mg
カルシウム   51.4mg
マグネシウム  29.7mg
カリウム    6.0mg

 

さて一方、我が国日本で最も有名な天然水、サントリーの南アルプスの天然水はどうかというと、

ナトリウム 4.0mg
カルシウム 6.0mg
マグネシウム 1.0mg
カリウム(mg) 1.0mg

どうでしょう?

天然水といえども海外の水と比べるとミネラルが少ない柔らかいお水であることが分かります。

 

私は以前からミネラル補給にトレースミネラルリサーチ社「トレースミネラルドロップ」を推奨しています。

炭酸水ウィルキンソンばかりを飲んでいるとミネラル不足になるので、

このトレースミネラルドロップを2、3滴落としています。


Trace Minerals Research, コンセントレース(ConcenTrace), 微量ミネラル点滴剤, 8液量オンス(237 ml)

 

コップ1杯のウィルキンソンに、2,3滴が適量だと思っていました。

それ以上入れると味が変わるからです。

でもね、今回ヨーロッパに行って痛感しました。

だめだ、ぜんぜん足りてねーわ。

 

超軟水のウィルキンソンを海外の天然発泡水なみにミネラル豊富な硬水に変えようとするなら、

最低でも5、6滴

いや思い切って10滴ぐらいいれてようやく海外並みの硬水と同じ味になります。

「ゴクリ」と飲んだ瞬間に「固いお水だなあ」と感じるくらいが海外の天然水標準です。

 

微量ミネラルは食事と飲料水から摂取すべし

ミネラルは量よりも吸収率が大事です。

ミネラル不足の所見があった場合、単にサプリメントを補給して改善する人は10人に1人くらいでしょうか。

 

有機物のビタミンと違って無機物は非常に吸収が悪く、

生体利用されにくい性質を考えなければ意味がありません。

 

ミネラルが腸管から吸収されるためには、腸内環境は第一ですが、

ミネラルの吸収しにくい特性を考慮すると、少量ずつ頻回で摂るほうが断然良いです。

少量ずつ頻回で摂る、これは毎日の飲料水や食事が一番良いミネラル摂取源であるということです。

 

日本のお水はたいへん柔らかく、まろやかです。

天然水でも軟水が多い。

でもその軟水だったからこそ「お出汁」を取るには適していました。

昆布や鰹節、煮干しやサバ節など、豊富な海のミネラルをお出汁から摂取してきたわけです。

 

以前こちらで書きましたように、チーズなどの乳製品を頻食する方は必ずと言っていいほどマグネシウム不足の症状がでます。

フランス、イタリアのスーパーへ行くとチーズの数と種類に圧倒されます。

さすが酪農国ですね。

日常的に乳製品を摂っても、飲料水にマグネシウムが豊富ですから結局バランスが取れているのです。

文化と風土、健康、身体、人間の歴史、すべて繋がりますね。

ウィルキンソンを飲料水にする場合はミネラル不足にご注意を

家庭用の飲料水として大ヒットしているウィルキンソン。

我が家でも定期購入しています。

 

もしあなたのご家庭が、昆布や煮干しからお出汁を取ることもなく、飲料水はウィルキンソン。

これじゃあミネラル不足まっしぐらです。

 

別にウィルキンソンを飲むなとは言いません。

ウィルキンソンばかりだと貴重なミネラル摂取の機会を逃し、お食事で摂取するべき分が増えます。

それでいて食事は加工肉や出来合いのお惣菜だと、ますますミネラル不足に拍車がかかるでしょう。

 

ウィルキンソンを飲料水代わりに飲むならトレースミネラルドロップを落とす、

せめてお出汁にはこだわって、昆布と煮干しから毎日取る、

などの工夫が必要だと思います。

 

炭酸水のシュワシュワした感じがお好きであれば、海外の天然発泡水はいかがでしょう。

ちなみにサンペルグリノがダントツにミネラル豊富で味と硬度のバランスがよいと判明したのでおすすめです。

 

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