日本の歴史が生んだ胃酸補助剤「梅干し」
分子栄養医学的に(というか身体の仕組みそのものにおいて)、胃酸は非常に重要です。
リーキーガットや、IBSなど腸に問題がある人は、その根本原因が胃にあることがほとんど。
胃酸の酸度が弱い、もしくは胃酸が十分に出ないと、食べ物がうまく消化できない、殺菌が不十分で腸でディスバイオシス(SIBO)が起こります。
工場のベルトコンベアで、上流工程がずさんなら、下流工程では技術があっても良いものは作れない。川の上流が汚れていたら、下流も影響受けるのと同じ。
消化不十分な食べものが腸に到達すれば、異物として免疫が過剰反応するので、アレルギー症状が出ます。胃酸が弱くて良いことなど一つもないです。
私は塩酸ベタインで、適時胃酸をサポートし、消化力を補助しておりますが、実は塩酸ベタインが無くても、日本には最適な胃酸補助となる食べ物があります。
それが「梅干し」
梅干しと胃酸のPH値・酸性度は同じ
梅干しのPH値は2、かなりの強酸です。
胃酸のPH値も同じ2、つまり食事中に梅干しを食べることは、胃酸を補助しているのと同じこと。
日本人は胃酸が弱く、それゆえ食事をあれこれ工夫してきましたが、梅干しもその文化の一つではないかと。
こんな酸っぱい食べ物を、常備食として民間レベルで重宝してきた民族的知恵。
こんな国ほかにありませんて。
塩分が気になる方は「梅肉エキス」
塩分が気になるという方は、梅肉エキスがオススメです。
青梅の絞り汁を煮つめただけなので、添加物なし、安心の国産。
これ、名品だと思います。
食事の前に、梅肉エキスを少量ベロリと舐めます。
塩酸ベタインには抵抗がある人でも、梅肉エキスだと受け入れやすいのでありがたいです。
これお湯で溶いて飲むとホカホカ温まるので、風邪の時にもオススメです。
梅干しまとめ
身体がエネルギーを作る工程を「TCA回路」と言います。
これ別名「クエン酸回路」
梅干しはクエン酸の補助としても素晴らしいので、エネルギーの元ATPも増えます。
疲労回復にもよいです。
冬には体温を上げてくれる強い陽性食品であり、マクロファージを活性化しますので、免疫力も強化できます。
マッチョ男のトレーニング後の疲労回復にも、虚弱体質の風邪ひきさんにも、万人に適応できる点が素晴らしい。
注意点としては、強酸で歯をやられないようにすること、空腹時に多食は禁物、あとは塩分くらいでしょうか。
保存上の注意点として、梅干しが、ビニール袋に入れて売られていることがありますが、酸度2ともなればかなりの強酸です。
長期保存の場合は、どんなに安定したポリエチレンも溶け出す可能性はあります。
環境ホルモンのリスク排除のため、ガラス瓶もしくはホーロー(琺瑯)に移し替えるようにしてください。
歴史学者、樋口清之先生の本に梅干しこそ超合理的な労働食であるというくだりが出てきます。
歴史的に見ても、分子栄養学的に見ても、梅干しかなりイケてます。