前回に続き、カルシウムについて調べていて、興味深い論文見つけたのでメモ
カルシウムの吸収率向上にはプレバイオティクスが効果あり
腸内細菌の餌となる、プレバイティクスを同時に摂ると、カルシウムの吸収率が向上し、骨密度が上がったというドイツシュレースヴィヒ・ホルシュタイン大学病院の発表
プレバイオティクスはイヌリンやオリゴ糖を使用して実験、マウスから人間まで、広範囲で向上したという結果になってます。
イヌリンとオリゴ糖が両方入ってる野菜といえば、牛蒡なんかが典型です。
本件かなり興味深い。
なぜなら、今まで食物繊維の多い食品は、ミネラルの吸収を阻害すると言われていたから。
実際、そういう側面もあるのでしょうが、かたや食物繊維によって腸内細菌の働きがよくなると、吸収率が上がる側面もあるということ。
研究に使われたのは、イヌリン(牛蒡や菊芋に含まれる多糖類)やオリゴ糖、レジスタントスターチなので、食物繊維ではありませんが、プレバイオティクスというアングルでは同じ。
人間を使った実験で骨密度が向上したのは、プレバイオティクスにより酪酸菌が生産され、腸の状態が改善されて、結果栄養の吸収が良くなったという点、
そして、プレバイオティクスにより、腸内細菌が活性化したことで、ビタミンKなど、骨形成に必要なビタミン合成が進んだ点など、複数の要因が考えられると結論してます。
鉄分の吸収にも腸内細菌が関与
レバーなど動物性たんぱく質の鉄はヘム鉄(二価鉄・Fe2+)、ほうれん草など植物、海藻に含まれる鉄は非ヘム鉄(三価鉄・Fe3+)で、非ヘム鉄は吸収率が極端に悪い。
なので、ビタミンCを同時に摂って、三価鉄から二価鉄(Fe3+ → Fe2+)への還元を促す必要がある、というのが常識
ところが、これと同じ作用を腸内細菌がになってるらしいとのこと。東京工科大学応用生物学部の研究による2013年の発表
いずれリンク切れするだろうけど、ニュースサイトはこちら
TUT、ヒトの腸内細菌が鉄分の吸収を助ける働きを持っていることを解明
菜食主義だったり、マクロビオティックだったり、栄養学的には明らかに鉄分不足であるはずなのに貧血知らず、なんてやはり腸内細菌の関与疑惑大。
関連記事
・菜食主義だけど健康であることの謎に対する1つの仮説 「栄養を作る腸内細菌」
ミネラルの吸収率と腸内細菌の関係まとめ
ビタミンやポリフェノールと違い、ミネラルの扱いはわりと難しいと感じます。
不足してるから、盛って正解!とはいかない。
実際、鉄のメガドーズで一度失敗した経験(これはまた別途記事にします)があるので、サプリで供給したからハイ終わり、とはならないケース多々。
ミネラルの吸収を阻害している原因は何か?
不足する原因は何か?
どこで需要が起こっているのか?
どうやったら効率良く吸収できるのか?
少ないミネラルでも効率良く使える身体にする方法は何か?
などなど、多角的に考察するのですが、その一片に、やっぱりというか、当然というか、腸内細菌の影響あり。
腸の状態が悪いままでサプリ盛っても無駄が多し。
疲労感や不定愁訴の治療に、腸からアプローチするのは、一見ダイレクトではなくても、実はもっとも効率が良かったりするのかと。
結局、カルシウム吸収においても、腸の状態の改善方法(4R)を基本に、食物繊維やレジスタントスターチなど、プレバイオティクスを意識した食生活、あとはプロバイティクスを適時補給。
なんだかいつもと同じ展開になってしまいましたが、吸収率の悪いカルシウムさえ、結局は腸の状態次第なんだなと思いました。
※おすすめプロバイオティクスは以下にまとめてありますのでご参考ください。
・なぜストレスが腸に悪いのか?アドレナリンで腸内細菌が激変するという事実
いろいろ試しましたが、現在この3つで毎日快便です。
特にロイテリ菌は、効果ありました!というフィードバックが確実に二桁超えました。