アドレナリンの影響を受ける腸内細菌
先日、オーソモレキュラ関連の製薬会社によるセミナーに参加させていただいた。
お題は「消化管」
そこで「腸内細菌にはアドレナリンのレセプターがある」と説明されたが、これについての論文は見つからず悶々としていた。
唯一、姫野友美先生の著書『食卓で黙り込む夫婦は長生きできない』に以下のくだりを見つけた。
善玉菌の乳酸菌はアドレナリンの受容体を持っており、緊張やストレスからアドレナリンがたくさん出る状態が続くと乳酸菌がぐっと減る
昨今、話題の「腸脳相関」にも通じる話。
ストレスを受けると腸内細菌はどう変化するのか?
九大大学院のこちらの論文がとても興味深かった。
ストレスと腸内細菌のリアルな例が多々挙げられている。
「腸内細菌と脳腸相関」九州大学大学院医学研究院心身医学分野 須藤信行
ストレスと腸内細菌の例、まとめます。
▼乳児のサルを母ザルと分離すると3日後から、Lactobacillus ラクトバチルス系(乳酸菌)の減少が著しかった。
▼ニワトリにストレスを与えると発育遅延が見られるが、ラクトバチルス系(乳酸菌)であるアシドフィルス菌とサリバリウス菌の混合を事前に経口投与すると、そうでない群に比べて有意に体重が増加、発育遅延が阻害された。
▼妊娠中の猿へストレスを与えたところ,出生した仔猿のラクトバチルス(乳酸菌)、ビフィドバクテリウム属 (乳酸菌)が減少。母体へのストレスは世代を越えて伝播する。
▼NASAにおいて、宇宙飛行士の腸内細菌を宇宙飛行の前後で比較したところ、
・減少した菌
ラクトバチルス系(乳酸菌)
ビフィドバクテリウム属 (乳酸菌)
・増加した菌
バクテロイデス系(日和見菌)
エンテロバクター属(グラム陰性桿菌、感染症の原因菌)
クロストリジウム・パーフリンジェンス(ウェルシュ菌、悪玉菌)
▼阪神淡路大震災前後での腸内細菌叢の変化を血液疾患患者で調査したとろ、Candida(カンジダ菌)、Pseudomonas(シュードモナス属、グラム陰性菌)が増加していた。
アドレナリンのレセプター有無を論じる以前に、あからさまにストレスで悪玉菌が増加、善玉菌が減少するという例が多すぎる!!
しかも、母体から子供へも影響するということ。
「失われてゆく、我々の内なる細菌」にもあったとおり、腸内細菌のほとんどは4歳までにほぼ確定されるということなので、妊婦さんもプロバイオティクス積極的に摂取し腸内フローラを豊かにしておくことがよろしいかと。
ニワトリの実験で、事前に乳酸菌を経口摂取しておくと、ストレスによる成長阻害が軽減されたということなので、仕事が大変なときや煮詰まった時は、プロバイオティクスを飲んで事前対策打つのが効果的だと思います。
効果の高かったプロバイオティクス、TOP3
「失われてゆく、我々の内なる細菌」にも強調されていたが、腸内フローラは多様性が重要。
プロバイオティクスを摂取するにも、複数種類を盛るのがポイントだと思う。
現在愛用のプロバイオティクスTOP3をまとめます。
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Nature’s Way, Primadophilus, Reuteri Superior Probiotic
これひとつで以下の乳酸菌が全部入ってる。効果抜群。
・ビフィドバクテリウム・ロングム
・ビフィドバクテリウム・インファンティス
・ラクトバチルス・ラムノサス
・ラクトバチルス・アシドフィルス
・ラクトバチルス・ロイテリ
腸粘膜の炎症を取る酪酸菌は入っていないけど、ベースとして「Poteto Starch」使用
つまり酪酸菌のエサとなるレジスタント・スターチ入り。
少量とはいえ、地味に効果が底上げされてる気がします。
2位は腸粘膜を再生するポリアミンを生成する乳酸菌、リーキーガットに効くプロバイオティクスと言われているLKM21
15箱目を継続中です。
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科学的に効果が証明されているビフィズス菌LKM512
昨年1年(12箱)続けて、いったん中断したのですが、やっぱり効果を感じて再開。リーキーガットの修復、腸粘膜の再生を促しているのか、他のプロバイオティクスの効果が上がります。
3位は乳酸菌、糖化菌、酪酸菌のミックスであるオーソモレキュラーリサーチ社の「Probiotic-3」
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Advanced Orthomolecular Research AOR, アドバンスト・シリーズ、Probiotic-3、ナチュラル・プロバイオティクス・フォーミュラ、ベジキャップ 90 錠
これ、元は日本製のビオスリーなんです。海外でもビオスリーの評価は高いという証明。
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寝る前にロイテリをひと匙、Probiotics-3は1日2、3回、LKM21は食間に1日1スティック。
ここのところ、これがスタンダードですが、便秘知らず、ガスも臭わず。
あれほど愛した(!?)ミヤリサンは現在中止中です、酪酸菌はProbiotic-3にも入っているので。
個人的な経験ですが、プロバイオティクスは複数ミックスすると効果が大きいと思います。
ストレスに晒されると善玉菌が減る、逆も真で善玉菌を増やしておけば、ストレス耐性も強くなる。これがいわゆる腸脳相関。
自分にどの菌が合うのか、定番を見つけておくと、普段の胃腸ケアのみならず、いざというときのストレス対策としてよいと思います。