茄子のレクチンが腸粘膜の炎症を促進!?
レクチンとは、マメ科やナス科の野菜に含まれている糖結合性タンパク質(糖と結合したがるタンパク質)。
胃腸粘膜の細胞は、水分を保持するため多糖類を含むわけですが、この多糖類の糖とくっついて、細胞を活性化させる作用があります。
細胞が活性化と言われれば聞こえは良いですが、活性し過ぎれば「炎症」です。
レクチンそのものは良い作用もあるのですが、身体が弱っていれば炎症の原因になるのでよろしくない。
副腎疲労やアレルギー持ちは、ただでさえアドレナリンで粘膜が炎症傾向なので、むしろ沈静化(抗炎症化)するほうに注力すべきなので。
やや古いのですが、British Medical Journalの1999年のこちらの記事
Do dietary lectins cause disease?
レクチンが細胞の白血球型抗原(HLA antigen)を刺激、セルリアック病や関節炎の原因になるという発表です。
レクチンを含む食材は非加熱で食さず、しっかり煮込むなどレクチンを十分に破壊することが望ましいとのこと。
もともとナス科は夜に育つ植物で、光合成によってエネルギーを蓄える植物とは根本的に異なるらしい。
だからナス科は英語で「Nightshade」というのだ、とある栄養学の本で読んだことがある(ソースは忘れた)
だから東洋医学でも身体を冷やす陰性野菜として分類されるのでしょうか。
日本では、あるテレビ番組のダイエット法紹介のコーナーで、白いんげん豆のレクチンが原因で、視聴者が嘔吐や下痢といった消化器疾患を引き起こしたという事件というのがありました。
原因は白いんげん豆の加熱が不十分でレクチンが活性状態であったため。
昔から豆を煮るときは、アクを引きながらコトコト煮込みますが、あれにもちゃんと意味があるということですな。
茄子のレクチンまとめ
レクチンはナス科の植物に多く、トマト、ピーマンなどにも多く含まれています。
その中でも、茄子のレクチンは加熱に強く、煮込んでも壊れない特性がある。
茄子は、ほうれん草のようにシュウ酸が強いわけじゃなく苦味もあまり感じないのに、アクが強いと言われることが昔から不思議でした。
「秋茄子は嫁に食わすな」の理由は諸説ありますが、本当の意味はこの辺にあるんじゃなかろうかと。
嫁は大事な後継ぎ製造マシン。炎症は不妊の原因になるし、大事な子孫も栄養不良になる可能性もある。
結論です。
アレルギーのある人、腸粘膜が弱い人、関節炎、セリアックなど自己免疫疾患の人、リーキーガットはじめ腸が弱い人、
この時期、茄子、トマト、ピーマンの多食には注意です。
食べるならしっかり加熱。煮込んでレクチンを不活性化するほうが良いと思われます。