タウリンによる酸化ストレス抑制

投稿日 04/29/2021
著者まごめじゅん
カテゴリー栄養のおはなし

タウリンによる酸化ストレス抑制作用について

まごめじゅん

タウリンは酸化ストレスを抑制する効果が高い！

タウリンはいろいろとポテンシャルの高いタンパク質ですよ。

タウリンの酸化ストレス抑制作用について、ここ最近出た調査をいくつかまとめます。

タウリンの抗酸化作用が眼に良い

タウリンがミトコンドリア機能異常を改善し、細胞の酸化ストレスを低減。網膜変性の治療にタウリンが効果を持つ可能性あり。
Taurine rescues mitochondria-related metabolic impairments in the patient-derived induced pluripotent stem cells and epithelial-mesenchymal transition in the retinal pigment epithelium., DOI: 10.1016/j.redox.2021.101921

網膜変性の患者の細胞を取り出して調べると、ミトコンドリア機能異常が起こっており、酸化ストレスが増加している。グルタチオンが枯渇するため、ペントースリン酸系が活性化しているそう。

タウリンはグルタチオンとは別の経路で酸化ストレスを抑制し、細胞の増殖を助けるとのこと。

タウリンと言えばシステイン。システインと言えばグルタチオンの原料。

タウリンを摂ることで、グルタチオン合成が進んで、それで抗酸化力が戻るのかと思いきや、タウリンの抗酸化力はグルタチオンとは別ルート。タウリンの可能性を感じます。

タウリンの抗酸化作用が肝臓に良い

タウリンは鉄過剰マウスの酸化ストレスを軽減する。タウリンは抗酸化酵素の活性化、ミトコンドリア膜の健全化をもたらす。
Taurine supplementation reduces oxidative stress and protects the liver in an iron-overload murine model., doi:10.3892/mmr.2014.2544

鉄過剰にして酸化ストレスを増大させたマウスに、タウリンを与えたところ、、

抗酸化酵素（SOD、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼ）が活性化した
ミトコンドリアの膜電位を正常化、ミトコンドリア機能改善した
肝臓が保護されてALT、ASTの値が改善した

しかも、副作用がほぼ認められず。

タウリンが、肝臓を保護するのは良く知られたところですが、どうやら抗酸化能に直接関与してる模様。

「タウリン」の効果は何をどれくらい食べればよいか

いくら酸化ストレスを低減させると言われても、その量が多大で食事から摂取するには現実的でなければ、意味がありません。

その点、タウリン摂取量は割と簡単にクリアできます。

2型糖尿病の患者を50名集めて調査したこちらとかを参考にすると、タウリン1,000㎎を1日3回、8週間後にCRPがガツンと減る、SOD（抗酸化酵素）がガッツリ増えたそうです。

タウリン補給で2型糖尿病患者の酸化ストレスが低減し炎症バイオマーカーが改善された。
The effects of taurine supplementation on oxidative stress indices and inflammation biomarkers in patients with type 2 diabetes: a randomized, double-blind, placebo-controlled trial., doi: 10.1186/s13098-020-0518-7