中鎖脂肪酸はウィルスの外膜を破壊する

中鎖脂肪酸の抗ウィルス作用

中鎖脂肪酸には抗ウィルス作用、
抗菌、抗真菌作用があります。

そもそもなんで食品のアブラに
ウィルスを殺す作用があるのか?
その仕組みをサラッと書いてみます。

  

ウィルスには、
エンベロープという
脂肪酸で構成された「膜」
を持つウィルスと、そうでない
ウィルスがあります。

コロナウィルスや、
ヘルペスウィルスは、
エンベロープウィルス。
つまり「膜」を持ってるウィルス。

ノロウィルスやポリオウィルスは
膜を持たないノンエンベロープ型。

   

ウィルスの、この膜の構造が、
人間の細胞膜とそっくりで
中身が脂肪酸で出来ています。

「膜」の構造は脂質が二層に
なっており、内側と外側を
アブラで仕切る恰好です。

参考記事(↓)

  

通常、この「膜」の中のアブラは、
長鎖脂肪酸(長さがしっかりある)
が構成しています。

もし、膜の中に
中鎖脂肪酸(長さが足りない)
が入ると、ウィルスは形を
維持できずに崩壊します。

これが中鎖脂肪酸による
抗ウィルス作用です。

ウィルスと言わず、
カンジダなどの真菌類、
細菌類に対する殺菌効果も同じ機序。
やつらの外膜を崩壊させちゃうんですね。

  

参考文献 『脂肪酸とモノグリセリドによるエンベロープウイルスの不活性化』
Inactivation of Enveloped Viruses and Killing of Cells by Fatty Acids and Monoglycerides

  

中鎖脂肪酸と言えば、
ココナッツオイルやMCTオイル。

ココナッツオイルは、
新型コロナウイルスに対する
抗ウイルス作用が、なんと99.9%
という論文もあるくらい。

ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸のラウリン酸はエンベロープウィルスの感染性を99.9%減少させる。

The Potential of Coconut Oil and its Derivatives as Effective and Safe Antiviral Agents Against the Novel Coronavirus (nCoV-2019)

  

ところで、、
「なんで人間の細胞膜には
作用しないのー?」
という
ものすごいシンプルな疑問が生じますが、

どうやら人間の細胞膜と、ウィルスの膜では作用が違うようで、

これも中鎖脂肪酸の特徴とのことです。

  

今日のポイント

中鎖脂肪酸はウィルスの外膜を
破壊する作用がある。

   

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