好中球とリンパ球の割合はがん予後の予測因子
免疫バランスは白血球の分画で判断します。
抗がん治療に臨む際には、
白血球(数) × リンパ球(%)
が1,800を超えるのが望ましい。
健康な人であれば1,500をキープすること、
という記事を下記で書きました。
がん細胞に勝つ免疫とは?採血データの読み方 | ビタミンアカデミー
この論拠となる論文があったので
備忘録メモです。
ガン治療後のさまざまな予後予測因子と全生存期間(OS)、無再発・生存期間(DFS)について解析を行った結果、好中球・リンパ球比(NLR)は有意な因子であった。
全生存期間については、NLR高値群のハザード比は1.89、DFSについてはハザード比1.47だった。好中球・リンパ球比(NLR)は炎症マーカーであると共に、その上昇は腫瘍浸潤リンパ球の減少など抗腫瘍免疫の低下と関連している。
がん治療の予後が良いデータとは?
内容を簡単にまとめておきます。
がん治療後にどれくらい生存するのか、
再発リスクがあるのか?という観点で、
採血データの白血球の分画にある
好中球とリンパ球の比率を確認したところ、
がん患者の「好中球 ÷ リンパ球」
中央値は2.68
OS = 全生存率、overall survival
ガン再発に関係なくどれくらい生きるかは、
2.68未満の人は 42.8ヵ月
2.68以上の人は 26.7ヵ月
DFS = 無病生存率、disease-free survival、
がん再発なしの場合は、
2.68未満の人は 11.8ヵ月
2.68以上の人は 9.1ヵ月
要するに、リンパ球が多くて、
好中球が少ない人のほうが、
がん治療後の予後が良い
という結果です。
ちなみに、こちら私の採血結果です。
好中球 59.3%
リンパ球 33.7%
好中球・リンパ球比(NLR)は
59.3 ÷ 33.7 = 1.76
これくらいが平均的な比率です。
おそらく健康なみなさまは
これくらいだと思います。
交感神経優位な方、
自律神経のバランスの悪い方は
この比率が2を超えたり、
もしくは少なくなったりします。
上記論文中のがん治療の方の
中央値2.68というのは、かなり
高いのですが、治療中ですから
炎症があるせいでしょうね。
ご自身の採血データ、もし白血球の
分画の記載がありましたら、
ぜひ眺めてみてくださいね。
自律神経のバランスが遺伝子レベルで影響与える
ご存じのとおり、
好中球とリンパ球の割合をみて
自律神経のバランスの参考に
することが出来ます。
※参考記事(↓)
【天気によって体調が変わる理由】白血球の分画で知る自律神経のバランス | ビタミンアカデミー
上記論文で興味深いのは、
好中球とリンパ球の割合によって
遺伝子の発現が変化していた
という点です。
ということは、ガンになるならないも
遺伝子レベルで自律神経のバランスが
関係しているということかなと。
(発現が変わっていたという
遺伝子LYZ、TYMP、CD68が何を表すか
分からないけど)
雑過ぎる表現ではありますが、
例えば、性格やものごとの捉え方、
怒りっぽかったりイライラしたり
肩ひじ張って頑張って生きてたりetc.
そんな交感神経優位な人は、
やはりガンになりやすいと
言えると思います。
「まあ僕のお腹でも見てリラックスにゃ!」