戦う戦士「顆粒球」と「リンパ球」
身体には敵と戦う「白血球」という部隊がおります。
バクテリアやバイキンなど、分かりやすい敵と戦うのが「顆粒球」です。
怪我をして、バイキンがついて、膿が出る。
風邪をひいて、ネバネバの黄色い鼻水がでる。
膿や鼻水は顆粒球の死骸です。
ガン細胞など、ちょっとややこしい相手と戦うのが「リンパ球」
「リンパ球」の戦う相手はちょっと高度な相手。例えて言えばテロリストや高度知能犯。
イメージ的に、交番の警察官が「顆粒球」で、自衛隊の特殊部隊が「リンパ球」と覚えてます。
白血球の分画(ぶんかく)で診る自律神経のバランス
副交感神経優位だと、リンパ球が増えます。
交感神経が優位になると、顆粒球が増えます。
リンパ球にはアセチルコリン(ゆったり集中状態の時の脳内神経伝達物質)の受容体があり、
顆粒球の大部分である好中球に、ノルアドレナリン(戦いモード)の受容体があるためです。
免疫学の考え方では、
・リンパ球が40%以上だと副交感神経優位
・顆粒球が60%以上だと交感神経優位
となるらしいのですが、
血液検査では、顆粒球の種類(好中球、好酸球、好塩基球)ごとに数値が出て、自分で計算しなければいけません。
なので、サクッと血液データだけで簡易的に判断する場合はリンパ球を目安とすることが多いです。
分子栄養学の血液データの読み方では、
リンパ球が30%以下だと、かなり交感神経優位で緊張状態にあると推測します。
問診ではストレスが多くて、胃腸が弱い、冷えがないかを確認します。
逆に、リンパ球が30%以上で多い場合は、副交感神経優位で、運動不足や血管の拡張で血流が悪く、ぐったりしてウツ症状になっていないかを確認します。
天気と自律神経の関係
澄み渡った青空、あー良い天気!
そんな日は交感神経が優位になり、顆粒球が増えます。
洞窟で暮らしていたご先祖様の時代に、狩りに出かけて獲物をゲットすべく顆粒球を増やして怪我に備える仕組みを発達させたわけですね。
ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンも活性化、
やる気が出て気分も前向きになる状態です。
逆に、空がどんよりとして雨や雪で悪天候。気圧が低いとリンパ球の割合が増えます。
副交感神経が優位になり、ぐったりしてベッドから起き上がれない。なんとなくやる気も出ない状態です。
雨の日の猫みたいな感じ。
狩りに出かけても、獲物が少ないので、戦闘モードにならないんですな。
猫なら寝て過ごせばよいのですが、人間は雨だろうと台風だろうと、会社や学校に行かねばなりません。
交感神経がONにならない(ドーパミンが出ない)ところに、無理やり頑張って働かなければならない状態がストレスになります。
自律神経のバランスが崩れて、イライラすることが多くなる。
こういった場合は、瞑想したり、深呼吸したり、SNSから距離を置いたり、
低気圧の日は意識的にストレスをコントロールするほうが賢明ということです。
ちなみに、低気圧による自律神経の乱れには「五苓散」がよく効きます。
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ストレスが自律神経のバランスを乱す
現代はストレス社会なので、交感神経が緊張状態の方が多いですね。
ガン細胞と戦うリンパ球が減りますので、ガンになりやすいのも交感神経優位の人です。
見た目で胸鎖乳突筋が浮き出ており、早口で怒りっぽい、挑戦的でギラギラしているという特徴があれば、交感神経優位で間違いなし。データで確認してリンパ球が低めであれば確定。
逆に、おっとり物静かなのに、血液検査結果でリンパ球が少なすぎる場合は慎重にヒアリングを進めます。
交感神経優位の戦闘モードが起動しており、本人が気が付いていない細胞レベルのストレス(内臓の炎症など)を推測しなければならないからです。
交感神経優位の方の問題点は、血管が収縮して血流が悪くなり胃腸の働きが悪くなることです。
栄養の吸収が悪くなり、サプリメントや食事改善の効果が半減しますので、交感神経を緩める工夫も並行して考えます。
福田稔「病気が治る人の 免疫の法則」
晴れの日は顆粒球が増えて交感神経が優位になる、というのを発見した福田稔医師です。
医師自身がうつ病経験者とあって自律神経に関する知見が深い。
時々理論が飛躍するんだけど面白かったです。
自律神経のバランスをとるために福田医師が勧めるのが「爪揉み」と「つむじ押し」なんですよね。
両手の爪の生え際をクイクイもんで、つむじあたりを指圧するだけ。
爪の両脇を刺激すると、実際に白血球の分画バランスが良くなるらしい。
ツボ押しや体感入力の一部なのでしょうか。
こういう小ネタはどこまで効果があるのか分からないですが、覚えておく価値はありそうです。