亜麻仁オイルに抗炎症効果はない?EPA/DHAとの違い【オメガ3脂肪酸】

亜麻仁オイルは抗炎症に効果少ない

「亜麻仁オイルは抗炎症に効果なし」というレビュー論文(複数の論文・研究結果を総合した信用性の高いもの)が出ていました。

Effect of Flaxseed Intervention on Inflammatory Marker C-Reactive Protein: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials

 

ここでは、炎症の有無を計測する TNF-α や CRP などのバイマーカ(体内に炎症がある場合に増えるたんぱく質)を見ています。

αリノレン酸が豊富な亜麻仁オイルは、炎症マーカを下げるほどの効果はないとのこと。BMI30を超える肥満気味の人ならちょっとは効果ありそうだけど、普通の人にはあまり有効とは言えないという結論になってます。

 

もともと抗炎症作用が強いのはEPA(エイコサペンタエン酸)であって、αリノレン酸ではありません。

αリノレン酸はEPAの前駆体とも言えるので「亜麻仁油のαリノレン酸に抗炎症効果があるぞー!」という連想になるのですが、話はそんなに単純ではありません。

 

体内で「αリノレン酸 → EPA → DHA」と変換されるのですが、実はαリノレン酸からEPAへの変換効率は非常に悪いのです

αリノレン酸からEPAへの変換は、健康な男性でたった8%程度と言われています。どの調査結果を調べてもだいたい10%くらいです。

Efficiency of conversion of alpha-linolenic acid to long chain n-3 fatty acids in man.

Metabolism of alpha-linolenic acid in humans.

亜麻仁油のαリノレン酸は細胞膜の原料となるので、細胞の柔軟性・健全度が増加して、結果的に抗炎症というのはありえそうですが、それってかなり遠回りな結果ですしね。なんとなく納得の結論であります。

 

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亜麻仁油の効果とは?

「なんだぁ、亜麻仁油に抗炎症作用はないのか、じゃあ亜麻仁油を買っても無駄じゃん」という短絡的なお考えはグー民であります。

亜麻仁油のαリノレン酸は、細胞膜のリン脂質の主原料となるし、ミトコンドリアでβ酸化されやすい、つまりエネルギーに変わりやすい油なので太らないうえに元気になります。

 

それ以外にも、亜麻仁油にはリグナンというポリフェノールが豊富です。

リグナンはエストロゲン様物質で、過剰なエストロゲンを抑制する作用があるので、ホルモン起因の乳がん、子宮がん、卵巣がん、前立腺がんに効果があると言われています。

エストロゲンと骨の健康は関係が深いので、当然、リグナンも骨粗鬆症予防に一定の効果がみとめられております。

Implications of dietary α-linolenic acid in bone health.

 

ちなみに、リグナンを体内で抗がん物質に変化させるのは腸内細菌の作用らしいです。あらゆる局面で良好な腸内環境はマストになりますねぇ・・。

EPAの抗炎症作用

お肉に含まれるアラキドン酸が、炎症物質のプロスタグランジンに変換される際に酵素が必要です。EPAはその酵素を横取りして変換を邪魔する働きがあります。

直接的というより、間接的に抗炎症効果が生まれているイメージです。

DHAには、この働きは強くありません。なので、栄養療法でも抗炎症サプリメントとして処方されるのは、αリノレン酸やDHAではなくEPAのサプリメントを使用します。

 

EPAのサプリメントは酸化リスクが高いので、ある程度コストをかけないと厳しいのが難点ですね。

EPA・DHA・魚油サプリメントは酸化が進んでいるので要注意!
EPA・DHA・魚油サプリメントの酸化レベルがやばい! ハーバード大学のメディカルスクールが、米国で売れてる魚油サプリメントのトップ3を調査したところ、 酸化レベルがかなり進んでいたそうです(2016年12月発表) Omega-3 fatty acid fish oil dietary supplements contain saturated fats and oxidized lipids that may interfere with their intended biological benefits ボストンや、セントルイスのドラッグストアで、保存状態に問題のなさそうな、売れてるサプリのトップ3を購入して調査した結果がこちら↓ 点線は「Council for Responsible Nutrition(米国栄養議会)」が推奨する、酸化レベルの上限です。 3商品全部、かなり酸化が進んでます。 一番左は、医療用EPA(prescription product )との比較 酸化プロセスは、商品化されて保存されている間に進むのではなく、 製造中に空気に触れるために起こるのでしょうとのこと。 この酸化具合、含まれるEPA、DHAの量を考慮すると、期待される健康メリットを得られないかもね、と結論してます。 これ以外にも、フィッシュオイル・サプリメントって怪しいんじゃないの?というレポートは、探せばけっこう出て来ます。 ニュージーランドのオークランド大学で、市販のフィッシュオイル・サプリメント32商品を調査したところ、 表示通りにEPA・DHAが含まれていたのは、たった3商品だけだったそうです。 Fish oil supplements in New Zealand are highly oxidised and do not meet label content of n-3 PUFA かなり残念な結果。 魚油・EPA・DHAサプリを選ぶときは厳選するべし 今回は「売れてるトップ3」とのことで、かなり廉価な商品であることが想像できます。 台所に立って料理する人なら想像にたやすい、イワシ、サバの傷みやすさ。 自然の素材を使っていれば当然の結果かなと思います。

我が夫さんも、LDL/HDL比率が悪く、高中性脂肪、蕁麻疹体質と、絶対EPA摂った方が良いタイプなのですが、費用面で継続性がないのでEPAサプリはおやすみしてお魚をよく食べるように気をつけております。

脳細胞にはDHA

抗炎症と血液サラサラ効果で心疾患を予防するのはEPAですが、脳に含まれる脂質は圧倒的にDHAが多くなります。脳にはDHAと言われる所以です。

脳細胞膜の成分にDHAが多くなると、細胞膜の柔軟性が向上、脳内神経伝達物質のやりとりがスムーズに行われるなります。この効果はEPAになくてDHA特有なのだとか。

ただし、DHAでアルツハイマーやうつ病が良くなったという有効なデータはなく、未だ研究途中といった印象です。

まあ普通にお魚食べてれば良いと思います。

亜麻仁オイルとEPAの違いまとめ

まとめますと、

・亜麻仁油のサプリメントに抗炎症効果は期待薄
・抗炎症、心疾患予防、血栓予防、血液サラサラの効果を求めるならEPAサプリメント
・亜麻仁油に含まれるポリフェノールは効果あり(ただし腸内環境良好である前提)

 

栄養とか、あまり興味がない人でもよく知られるようになったオメガ3。

亜麻仁油をカプセルにしたサプリメントをお見かけしますが、抗炎症効果や心筋梗塞予防効果を謳うのはちょっと違うかなと。無駄ではないんでしょうが効率は悪いと思います。

「亜麻仁油さえ摂っておけばオメガ3は大丈夫!」みたいな記述もナンダカナーという感じ。

 

栄養素として生理活性が高いのは圧倒的に植物性より動物性です。
これはビタミンAや、ビタミンDと同じですね。

だからと言って植物性が無駄がというとそんなことはありません。

それぞれに違った利点があります。

単品ですべてオッケーの食品なんてこの世に存在しません。

陳腐な結論ですが「亜麻仁油もお魚も、全部食べましょう!」デス。

 

 

エゴマ油と亜麻仁油。私も愛用しております。
油の製法には徹底してこだわる鹿児島の鹿北精油さんのものです。

うちに来たお客様には必ず自分でサラダにかけてもらってます。知ってる人と知らない人で反応が違うので面白いですw
クルミや松の実など、ナッツ類を合わせるとクセが消えて急に美味しく感じますよ。

オメガ3系は酸化に弱いのですぐに使いきれるミニボトル、遮光性の瓶のものを選ぶようにしてくださいね。

 

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