コレステロールの代謝経路
コレステロールから代謝されるものってかなり重要。
コレステロールの代謝関係、分子栄養学で重要なところをまとめます。
コレステロールはアセチルCoAから
三大栄養素の糖質、タンパク質、脂質は、全て細胞の中のミトコンドリアで「アセチルCoA」に変わる。
アセチルCoAがエネルギーとして代謝されなかった場合、TCA回路の一部であるクエン酸が、「クエン酸シャトル」を使ってミトコンドリア膜の外に出る。
アセチルCoAのままではミトコンドリアの膜を通過できない。
なので、TCA回路の中間物質となるクエン酸を介して、ミトコンドリアの外に出るという作戦を取る。
・ミトコンドリアでエネルギーに回らなかった分が、脂肪酸・コレステロール合成に回される。
・アセチルCoAのままでは、ミトコンドリアの膜を超えられないので、クエン酸シャトルを使ってミトコンドリアの外に出る。
ミトコンドリアであらためて、クエン酸からアセチルCoAに戻る。
アセチルCoAからコレステロールが合成される。
コレステロール代謝はけっこう長いステップで、ATPを消費する。
なので、ミトコンドリ機能の低下してATP不足になるとコレステロールが不足する。
コレステロール値が低いと、地味に不調・不健康な状態を引きずっている方が多い理由はこれ。
・体内のコレステロールは80%以上が肝臓で合成されたもの。
・三大栄養素全部がその原料となる。
・つまり、コレステロール含有量の多い食品を避けることにほとんど意味は無い。
コレステロール合成のキーとなる酵素「HMG-CoAレダクターゼ」
コレステロールを合成するときに重要な律速酵素「HMG-CoAレダクターゼ」
「HMG-CoAレダクターゼ」の補酵素はナイアシンの活性型であるNAD、NADP。
ちなみに、「HMG-CoAレダクターゼ」はインスリンの影響で活性化される。
だから、高血糖、高インスリン、高コレステロールはセット販売。
・HMG-CoAから、メバロン酸を合成するときの酵素が「HMG-CoAレダクターゼ」 ・「HMG-CoAレダクターゼ」の補酵素は、活性型ナイアシン(NADP、NAD) ・「HMG-CoAレダクターゼ」はインスリンで活性化
コレステロール合成の中間代謝物
コレステロール合成の途中の物質で、分子栄養学的に重要なポイントが2つある。
それは「ファルネシルピロリン酸」と「7-ジヒドロコレステロール」
「ファルネシルピロリン酸」からはユビキノール(CoQ10)ミトコンドリアの栄養素、抗酸化物質が出来る。
「7-ジヒドロコレステロール」からはビタミンDが出来る。
そして、最終目的地のコレステロールからは、性ホルモン、コルチゾール、胆汁酸塩が出来る。
・コレステロール代謝の途中で作られるのがユビキノール、ビタミンDの元 ・コレステロールから作られるものがエストロゲン、テストステロンなどのホルモン類、胆汁酸
コレステロール低下薬の功罪
スタチン系と呼ばれるコレステロールを低下させるお薬が止めるのはメバロン酸への代謝の部分。
HMG-CoAから先の経路が止まる。
効果的にコレステロールを低下させることができる。
だがしかし、メバロン酸から先は全部しょぼる。(´・ω・`)
ということは、お薬でコレステロール低下させると、ユビキノール、ビタミンD、ホルモン関係、胆汁酸塩、その全てが不足する可能性が出てくる。(´・ω・`)
・スタチン系薬剤で影響が出る可能性があるのは
①ユビキノール、②ビタミンD、③性ホルモン、④コルチゾール、⑤胆汁酸
コレステロール低下のお薬で、ユビキノールを作る量はだいたい30%ダウンするというデータもある。
つまり、薬でコレステロール値を低下させる代償は、
- 元気がなくなる、筋力が低下する(ユビキノール不足、ATP産生低下)
- 免疫異常、うつっぽくなる(ビタミンD不足)
- 精力減退(性ホルモン不足)
- 低血糖症、ストレス耐性低下(コルチゾール不足)
- 消化力低下、解毒力低下(胆汁酸不足)
コレステロール代謝をマスターするステップ
初心者はいきなりこれ全部は覚えるの無理なんで、まずは、コレステロールに関係するもの5個を押さえるのがコツ。
そこから、スタチン系の影響を理解する。
これで認定カウンセラー試験はひとまず合格できます。
中級者以上を目指す方、セミナー業など、仕事にしようと思うなら、この本使ってガッツリ知識を叩き込んでください。中級~上級者は必携の一冊です。