ゆっくり入浴が、がん細胞を増殖させるかもしれない件
ヒートショックプロテイン(HSP)は、
傷ついたり、出来損ないのタンパク質を
リフレッシュさせるンパク質です。
およそ42度でヒートショックプロテインが
たくさん作られます。
局部的に温める温熱療法や、サウナ、
ゆっくり入浴して体温を上げると
身体がリフレッシュするのは、
このHSPの効果かと思われます。
HSPにもいろいろな種類がありますが、
最も研究が進んでいるのが「HSP70」
HSP70は、がん細胞を増殖させ、
浸潤性を高めるとのこと。
HSP70 タンパク質のメチル化がヒトがん化に及ぼす影響を世界で初めて解析~ヒトがん細胞の異常増殖や悪性化の一因となる新規メカニズムの発見~
HSP70は、体温が42度で増えてくる。
体温を42度にあげる目安は、
40度の湯舟だとおよそ20分間の入浴。
40度は特に熱くもない、
ちょうどよいお湯の温度。
42度程度の集めのお風呂だと、
もっと短い時間で42度の体温に
なるかもしれない。
逆に、HSP70がよい作用をもたらすのは、
パーキンソン病、アルツハイマー、筋委縮性硬化症。
HSP70を発生させることで、
変性した出来損ないのごみタンパク質が
生まれ変わるので、改善に働く。
え、ちょっと待って。
がん治療として、
身体を局部的に温める
温熱療法はどうなんだろう??
という疑問が出てくる。
このあたりを読むと、
温熱療法でがん細胞にHSP70が発生し、
ガン細胞を防御するような恰好になるので、
実際に温熱療法を行う間隔は、
HSP70の発現が減少してくるのを待ってから
次の温熱療法を行うらしい。
HSP70は細胞のアポトーシス
(細胞の自然死)も阻害する。
HSP70を作れないよう遺伝子操作した
ノックダウンマウスは、アポトーシスが増加するとのこと。
つまりHSP70が増えると
がん細胞が自然死出来ない。
Heat shock protein 70 increases tumorigenicity and inhibits apoptosis in pancreatic adenocarcinoma.
ついでに拾った情報だが、
ケルセチンはHSP70を阻害するので、
がん細胞アポトーシスを誘導する。
以前、分子栄養学実践講座で聞いた
がん治療における栄養療法で、
ケルセチンが良い成果出すサプリの
上位に食い込んでた事実と合致する。
おお。愛しのケルセチン!
私自身がケルセチンでアトピーやら
リーキーガットの症状やら、
かなり改善して助けられたので、
ますますケルセチン愛が深まる。
ポイントをまとめます。
・健康な方(悪性腫瘍に罹患してない方)
にとっては、温熱療法は免疫を賦活させ、
ごみタンパク質をリセットする
・すでに悪性腫瘍に罹患している場合、
温熱療法はHSP70の発現を高め、
腫瘍の浸潤、増殖を早める
その他、平良先生の講座では、
アルツハイマーや、パーキンソン病と
悪性腫瘍は逆相関にある理由が、
ヒドロキシノネナール(過酸化脂質)が
HSP70を分解することで説明が出来る
とのことであったが、機序を説明すると
たぶん多くの読者が混乱するので割愛。
逆相関というのは、
アルツハイマー、パーキンソン病の患者は
がんになりにくいし、
一方、がん患者はアルツハイマー、
パーキンソン病にはなりにくいということ。
確かにそんな傾向がある気がする。
「がん細胞は、体温42度で死滅する」
などという情報は、ズブの素人時代にも
良く聞いて覚えていたハナシ。
分子栄養学実践講座でがん治療における
栄養療法の講義も何度か受講しましたが、
がん治療のリアルを知れば知るほど、
そんなに簡単なハナシではないと思い知る。
がん細胞は特殊な細胞。個性豊か。
素人が平たく考えちゃうと、地雷踏みますね。