健康な赤血球に必要な栄養素
昨日の続きで赤血球のお話。
健康な赤血球が出来るための栄養素って
何だかわかりますか?
まず、骨芽細胞から前赤芽球が出来る段階で、
細胞の分化・分裂に重要な役割をするのが
ビタミンAとビタミンDです。
どちらも脂溶性のビタミンですね。
細胞の核に作用する働きがあります。
前赤芽球が成長してきて赤芽球、
赤芽球から網赤血球になる段階で
必要になるのがビタミンB12と葉酸です。
どちらもメチレーションでキーとなる栄養素。
メチレーションと言えばDNAの合成。
幹細胞(なんにでもなれるスタート時の細胞)が
分化(わたくし赤血球の細胞になりますと宣言)して、
赤血球として大人になっていく過程で
葉酸とビタミンB12が要るのですよ。
さあ、大人の階段上る赤血球は
そろそろ独り立ちのため、
酸素を運ぶという仕事を覚えてもらわにゃならん。
そこでいよいよヘモグロビンという
酸素を運ぶタンパク質を仕事道具として
持ってもらう。ここで鉄が要る。
赤血球、大人になってからは、
寿命120日を全うしなきゃならない。
そのためには細胞膜をしっかり保つための
コレステロール(LDL)が重要になってくる。
ここでコレステロールを「栄養素」と
捉えるのがポイント
赤血球の利用するコレステロールは
血液中のコレステロールの影響を受けやすい。
なぜなら成長過程で「脱核」してしまうので
自家合成するための設計図をもたないから。
成長した赤血球はおよそ3ヶ月、
酸素を運ぶために働くわけですが、
酸素と言えば活性酸素。
酸化ストレスに細胞膜がやられてしまわないよう
ビタミンEがあれば完璧。
というわけで、
赤血球を作る栄養素は
まとめるとこんな感じ
貧血ってほんと多くて悩ましい。
例えば、
最近カウンセリングした女性のデータは
Hgbが低くて、RBCが500を超えていました。
お食事を伺うと、十分にタンパク質を
召し上がっているとは言えない。
鉄不足、ビタミンB12で赤血球の粒が小さく
身体が数をたくさん作ってなんとかしようと
している代償機能ですね。
コーヒーがやめられないとのこと。
(そりゃそーよね)
子宮内膜症もあって、細胞の分化・増殖の部分も怪しい。
つまり脂溶性のビタミンAとDも使えてなさげ。
赤血球は血液の中を流れる細胞であり、
脱核という、他の細胞にはない工程があるので、
赤血球の状態を見れば、口から入る栄養状態も良く分かります。
勉強し始めの方も、赤血球のデータから
読み方を覚えていくと良いと思います。
一般の方は(特に女性)HgbとHmtの値くらいは
必ず覚えておいて、モニタリングしましょう。
お医者さまに「貧血です」と言われたら
それは「病気」の状態であって、時すでに遅し。
「健康な状態であるかどうか」のデータは
病気がどうかのデータの読み方とは違います。
病気じゃないけど、健康じゃない
つまり「未病」を数値で確認できるののは
栄養療法におけるデータ読みのメリットです。
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ぜひお勉強してみてくださいね。