【血液データの読み方】炎症で上昇する血清銅

銅というミネラルについて

銅は体内に100㎎存在。

吸収経路は食物から。
排泄は胆汁酸経由。

腸から入って、胆汁酸で排泄されて
IN&OUTのバランスが保たれている。

腸から吸収された銅は、
アルブミンが肝臓まで運ぶ。

肝臓から全身に運ばれるときは
セルロプラスミンが運ぶ。

 

血液中の銅の95%が
このセルロプラスミンに結合した銅。

セルロプラスミンはエストロゲンと
連動する特徴があるので、
女性のほうが血清銅はやや高め。

 

よって、血清銅が上昇するときとは、

  1. 胆汁酸の分泌が悪いとき、つまり胆道系の閉塞。
  2. エストロゲン過多の場合、妊娠後、妊娠中、PMSの強い人
  3. 炎症があるとき

 

③の炎症があるときに
血清銅が上昇するという事実は
意外に無知な方が多い。

炎症マーカのCRPなんかより、
銅のほうが敏感に反応します。

 

風邪気味で採血した方のデータ
このように銅が爆上げ。

 

風邪気味とか親不知治療中とか、
わかりやすい炎症気味のときに
採血しないほうが賢明かと。

だって本来の血清銅の数値が
マスキングされるのでせっかくの採血がもったいない。

 

逆にステロイド使用中だと血清銅は低くなる。
腸粘膜の異常があって常に下痢なんて方も
吸収が悪いので血清銅は低くなる。

銅が低いということは、抗酸化力も弱くなる。

 

活性酸素に対抗する代表的な酵素「SOD」の
活性の中心が銅なのよん。

 

 

銅が炎症で上昇するというのは、分子栄養学を勉強した当初は知らず、
実は後から知ったこと。

血清銅の上昇 = ノルアドレナリン上昇、エストロゲン過多

という公式を先に叩き込まれるので、
炎症で上昇という事実は記憶から
抜け落ちてしまうのだ。

 

ちなみに、銅というのは着床阻害因子。
なので不妊治療中の方は銅が高いのは
ちょいと問題あり(参考記事↓)

 

そもそも、なぜ炎症があると
血清銅が増えるのだろう?

そこは調べたけど分からなかったど、
たぶん、銅の持つ殺菌作用かなと推測。

 

銅は抗菌作用が強いミネラル。
炎症が発生すれば、身体は細菌感染などを想定し
銅を増やして細菌に抵抗するのかなあと。

お台所の排水口の生ゴミ受けも
銅製のものにすると銅に抗菌作用でぬめりが出ない。

 

実際に血清銅がずっと低い方で
難治性のカンジダ症だった方がいた。

造血、フェリチン上昇にも不可欠な銅ですが、
亜鉛や鉄など他のミネラルに比べれば
さほど不足のご心配には及びませぬ。

 

多くの方のデータを眺めておりますが、
銅過剰が問題になる人はいても
銅不足が問題の人はかなりレアケースです。

現代人はチョコレート食べる方が多いですしね。
むしろ過剰の方が心配になります。
ご注意ください。

 

この記事が気に入ったら 「いいね !」 してくれるとうれしいです

Twitter で