血液中の銅が高いという意味
血清銅は、一般的な健康診断では計測しませんが、栄養療法の検査機関では必ずと言っていいほど項目に入れます。
分子栄養学的な解釈では「血清銅が高い」ことは、メンタルが不安定なことを推測します。
イライラしたり、切れやすかったりといった症状です。
実際に米国の研究では、刑務所で囚人の血清銅を測ると、一般人レベルよりかなり高いということが分かっています。
銅レベルが高いと、ドーパミンがアドレナリンにジャンジャン代謝されてキレやすくなる、
「銅が多い=感情的、直情的になりやすい」という解釈が成り立つんです。
血清銅については以下の記事もご参考ください▼
血液中の銅を「血清銅」と言います。
血清銅は95%がタンパク質「セルロプラスミン」とくっついています。
ミネラル全般そうなんですが、金属単体で血液中に流れているのではなく、運搬役のタンパク質が存在します。
運搬タンパク質の「セルロプラスミン」は女性ホルモンのエストロゲンと仲良し。
ですので、エストロゲンレベルの高い女性は血清銅が高い人が多いです。
銅と亜鉛はセットで診ます。
一般的に「銅が高いと亜鉛が低い、お互いに拮抗する」という特徴があるからです。
30代女性、銅が高い、亜鉛が低いです。
30代男性、銅がやや高いけど、バランスとしては一般的な感じ。
間違えてはいけないのは、銅は栄養素として必要なミネラルということ。
不足すれば貧血などの原因になります。
ただ、現代人は不足しているという状況はあまり見たことがありません。(私の経験では過去に1件だけでした)
銅過剰の場合には、第一に亜鉛です。
亜鉛が相対的に少ないから銅が過剰になると考えられるので、なにはなくともまず亜鉛が対策。
それから銅をたくさん含む食品を控えることです。
代表的なものがチョコレート、ココア。
カカオは銅を多く含み、加工されたあとでも残りやすいからです。
他にも牛レバー、貝類などにも豊富ですが、牛レバーや貝類はもともと亜鉛も豊富に含むので、全体としのバランス自体が良い。従って問題にするレベルではないと考えます。
ところが、チョコレートは糖質が多いので中毒になりやすい。
毎日つい食べちゃうという人がとても多い。
チョコレートと同じくらいの勢いで「毎日ついつい牛レバー食べちゃうのよね~」という人がいれば注意しますがね、そんな人まずいません。
銅過剰は不妊の原因か?
血清銅過剰は不妊(着床の障害)になるそうです。
血清銅の割合が高いと着床率に影響するという不妊治療医の論文。(July 2017)
Is a high serum copper concentration a risk factor for implantation failure?
銅というミネラルは着床阻害因子なんですね、
避妊するには銅製の避妊器具(子宮内装置)が効果的という文献もあるくらいです(2013 Aug 14)
不妊治療をおこなっている女性はぜひ銅亜鉛バランスを確認してみてはいかがでしょう?
日々いろいろな方のデータを見ていますが、8割くらいの確率で銅過剰、亜鉛不足がみられます。
不妊治療の結果が芳しくない場合は「亜鉛の摂取&チョコレート、ココアを控える」くらいのことはやっておくほうが良いと思います。