寒暖差・季節の変わり目にはなぜ体調不良が増えるのか?
寒暖差が激しい季節になりました。
季節の変わり目になると、体調を崩す人が増えます。
寒暖差というのはストレスホルモンのコルチゾールを消耗します。
コルチゾール分泌が増えると、免疫が低下して風邪をひきやすくなります。
コルチゾール分泌が増えるとなぜ免疫が低下するのか?
免疫細胞と言えば白血球です。
白血球の中でも細菌と闘う細胞を「好中球」と言います。
怪我したときに出る膿、あれは好中球の死骸の塊です。
好中球は、日々細菌が侵入してきてないか巡回しているのですが、
血液の流れは非常に早いです。
流れの早い血液の中で、ちゃんと炎症部位に立ち止まって
細胞内に移動して侵入してきた細菌を抑え込むために、
好中球は血管の壁をローリングしながら移動しています
(これが白血球の遊走性)
コルチゾールが増えると好中球の遊走性が低下します。
(具体的にはコルチゾールが白血球側のセレクチン(ローリングするための粘液)を止める作用がある)
遊走性が低下すると、好中球が血液の早い流れに押し流されてしまう。
すると血管から細胞側へ移動して細菌との戦場にたどり着けない、
細菌と闘うことが出来ない、
よって炎症が起きない。
これがコルチゾールの抗炎症の仕組みです。
つまり単純に言うと、
コルチゾールは炎症を抑える、
だけど細菌には感染しやすくなる。
コルチゾールは好中球の寿命を長くする効果もあります
なので、コルチゾール分泌が増えると、血液中の好中球が増える。
好中球が増えると相対的にリンパ球が減る。
バランスの良い割合は「好中球:リンパ球=2:1」
この割合は自律神経のバランスとリンクします。
交感神経優位だと好中球が増えて、リンパ球数が低下、
副交感神経優位だとリンパ球数が上昇して、好中球数が低下。
詳しくはこちらにも↓
つまり、コルチゾールは好中球を増やして、リンパ球を減らす作用がある
リンパ球は風邪のウィルスやガン細胞と闘うための白血球なので、
免疫が低下、風邪にかかりやすくなります。
まとめます。
1、寒暖の差によってストレスを感じる
2、HPA系が反応してコルチゾールが分泌される
3、好中球の遊走性が低下する
4、リンパ球数が低下する
5、感染症、風邪になりやすくなる
季節の変わり目に風邪をひくなら副腎疲労を疑う
健康なら朝晩少し冷え込むぐらいでは風邪なんてひかないですよ。
ちょっとした寒暖差で風邪をひいてしまう、
季節の変わり目にヘルペスになったり、風邪のウィルスに感染するというのは、
普段からかなりコルチゾール分泌が多すぎることを疑った方が良いです。
つまり副腎疲労という状態。
ちなみに、
白血球の遊走性を高めるものはビタミンCです。
副腎もコルチゾールが分泌が盛んになると、ビタミンCを大量に消耗するので、
季節の変わり目には、ビタミンCを増量しとく、
という対策は理にかなってますね。
病気の治療でステロイドを大量投与すると、
免疫が低下して感染症にかかりやすくなります。
それと同じことが副腎疲労でも起こっているということです。
季節の変わり目に体調を崩しやすい方は
何がストレッサーなのか、生活を見直すようにしてみてください。