実母、叔母、いとこ家族と長崎を旅行したのですが、
ブログに書かずにいられないくらい、
いたく感動した魚料理のおはなしです。
長崎市内からタクシーを飛ばして20分くらい。
小さな漁師町にたたずむ料亭「二見」
お部屋からは橘湾の海がみえます。入り組んだ海岸線に囲まれた静かな水面。
お部屋に案内されて、
一番リーズナブルな7,000円のコースを頼んだ5分後
運ばれてきたお造りに度肝を抜かれました!
伊勢海老、アカハタ(たぶん)
新鮮さが良く分かるチリチリとした歯ごたえのある身
次に運ばれてきたのヒラメのお造り
ここまで新鮮なお造りを食べたのはいつ以来だろう・・。
魚はすべて地のもの。もちろん天然モノ。
この後、見事に肥えた車エビを見せていただきました。
刺身か塩焼きを選べるということで、我々は塩焼きを選択。
このあと食べたもの
・吸い物
・車エビの塩焼き
・天ぷら(もちろん天然の車エビが1人一尾ずつ、あとは野菜と白身のお魚)
・鯛のあら炊き(一度揚げてあって、めちゃくちゃ絶妙な味の濃さ!)
・浜焼き
ランチに伺いましたが、呑兵衛一族の我が家系がノンアルコールなわけがない、
ビールとハイボールを飲みながら
もうそろそろお腹もいっぱいになってきたという段階で運ばれてきたのが「浜焼き」
鯛、サザエ、卵、落花生を浜に見立てて焼き上げた大皿です。
やばい、
久しぶりに食で感動しました。
手の込んだ「食」ではない。
経済活動としての「食」でもない。
自然と共に歩む人間の営みとしての「食」に、
ああこれぞ本物と思ってしまった。
実はワタシ、どちらかと言えば「肉派」で、決して「魚派」ではないです。
お寿司とかあまり好んで食べませんし、魚は洋風に調理したほうが好みです。
ですが、ここは別格でした。
このあと、伊勢海老の赤だし、ごはんと香の物で〆
デザートは季節のフルーツ(このときは柿)
お部屋からベランダに出ると海です。
帰りに有名な床の間を見せていただきました。
この床の間の飾り(?)にみえる巨大な岩、実は自然の風景の一部。
つまりこの背面の壁を突き抜けさせて、わざと浜辺の岩を造作してあるのです。
扱う魚はすべて天然もの、これ以上の鮮度なし。
東京で食べたらお1人さま数万円という価値ですが、
ここは長崎の小さな港町、お会計はお1人さま10,000円足らず。
一番リーズナブルなコースを選んでこのレベル、
一緒に行った叔母が「この上のコースどうなるの?」と思わずつぶやく。
10,000円以上のコースはアワビなどの高級食材がついて、品数が増えるとか。
一応、情報提供の一つとして価格を書きましたが、
この価値は価格ではないと思う。
なんというか、単に「鮮度が良い」というのが売りでもない、
そこにある歴史とか、風景とか、人間の営みとか
すべて含めて自然の恩恵にあずかるということ。
単に「美味しいもの」はどこにでもある時代だと思います。
食材そのものに感じるパワーとか、自然への畏敬とか、
そこまで感じさせてくれる食にはめったに出会えません。
たいへん良い経験でした。