亜鉛不足があればビタミンA不足の症状が出る理由

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亜鉛とビタミンAの蜜月関係

分子栄養学を学び始めたころ「亜鉛とビタミンAはセットだ」覚えました。

今日はその理由についてです。

 

小腸粘膜から吸収されたビタミンAは肝臓に貯蔵されます。

そこからタンパク質のお舟に乗って出荷されるのですが、

その船のことをRBP(レチノール・バインディング・プロテイン)と言います。

 

ほとんどの栄養素がそうなのですが、栄養素単体で血液中を流れることはなく、

タンパク質のお舟に乗って運ばれております。

 

例えば、有名な運搬タンパク質がアルブミンですね。

アルブミンは水分も運ぶし、亜鉛も運ぶし、お薬の成分なんかも運んでます。

栄養素を運ぶ船はそれぞれ決まったタンパク質が担っていて、

銅を運ぶのはセルロプラスミンというタンパク質、

鉄を運ぶのはトランスフェリンというタンパク質

と言った具合です。

(なにはなくともタンパク質は大事だよねってことがよく分かるかと思います)

 

さて、ビタミンAを運ぶのは「RBP」という船ですが、こやつが合成されるのに亜鉛が不可欠です。

Zinc deficiency reduces hepatic cellular retinol-binding protein in rats.

 

血液中の亜鉛濃度が低下すると、血清中のRBP濃度も有意に低下することが分かっています。

RBPの寿命は半減期15時間ぐらいで短いので、栄養不足による増減が分かりやすいんですね。

 

つまり、肝臓にビタミンAが蓄えられてても、

亜鉛不足があればビタミンAを必要なところへ運べないという現象が起きるわけです。

 

だから亜鉛不足の症状は、

ドライアイ、腸の炎症、粘膜代謝の低下、皮膚のかさつき、細胞分裂・分化異常など、

ビタミンA不足の症状そのままです。

 

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急激な亜鉛不足ではRBPの合成能が高まる?

ところが、一時的に急激な亜鉛不足がおこった場合、

身体は逆にRBPのタンパク質が増やそうとするようです。

著しい低亜鉛の状態だと、RBPタンパク遺伝子の発現がかなり増加することが確認されています。

Retinol binding protein expression is induced in HepG2 cells by zinc deficiency

 

脂溶性のビタミンAは、レチノールとして肝臓に貯金しておくことが出来るけど、

亜鉛欠乏は環境要因で簡単に起こりがち。

 

例えば、有害金属の汚染地帯に入って、身体の酸化ストレスが大きくなると、

抗酸化解毒タンパク質のメタロチオネインが大量合成されます。

 

メタロチオネインの合成には亜鉛どどっさりもっていかれるので、血中の亜鉛濃度が下がります

ところが、身体は亜鉛が無くてもビタミンAの出荷をとめるわけにはいきません。

亜鉛が急激に低下して、なにやら非常事態かもしれない、

では抗酸化物質のビタミンA動員に備えねば!となる様子。

 

少しのあいだならRBPの増産体制がキープできるのですが、

長期にわたれば亜鉛欠乏の影響でRBPは減る現象に逆転するとか。

 

この辺が身体の仕組みのオモシロイところで、

重度の貧血になると、吸収率の悪い非ヘム鉄の玄関「DMT1」が小腸粘膜で増える現象に似てますね。

Duodenal Cytochrome b (DCYTB) in Iron Metabolism: An Update on Function and Regulation

 

栄養素同士は常に連携プレー

栄養素とは単独で働くのではなく、相互に連携プレーをしています。

亜鉛とビタミンAはその代表例です。

 

ちなみに、

アイキャッチ画像のように、ビタミンAと言えば人参を連想する人が多いと思うのですが、

人参のβカロテンがビタミンAに変換する酵素が働くためには胆汁酸と鉄が必要なので、

低コレステロールがあったり、貧血があったりすると、

人参食べてるわりにはビタミンA不足なんてことが起きます。

 

いろいろと栄養素は相互に連携プレーしてますよ、というおハナシでございました。

 

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