なぜ食物繊維がなければアレルギーは治らないのか?【花粉症・アトピー対策】

酪酸菌(ミヤリサン)だけじゃアレルギーは治らない!?

 

アレルギーに効くプロバイオティクスと言えばミヤリサンです。

ミヤリサンは商品名なので正確には酪酸菌ですね。

酪酸菌は「制御性T細胞(通称Tレグ)」を増やします。

Tレグは、免疫の暴走を抑制する働きがあります。

 

花粉症、アトピー、アレルギーと言われる症状は、免疫が暴走している状態です。

抑制してくれるTレグ君が不足しているというわけ。

 

ですので、花粉症、アトピーには「ミヤリサン」が良いという結論なのです。

「よし、花粉症・アトピーだからミヤリサン飲んでおこう、これでバッチリだー!」とはならない、残念ながら。

 

 

アレルギーには食物繊維が重要

酪酸菌自体が存在していることは重要です。

しかし、もっと重要なことは、酪酸菌の餌となる食物繊維を送り込まないと、Tレグは増えないということです。

 

マウスに食物繊維豊富な餌を与えた場合と、そうでない餌を与えた場合ではTレグ細胞の発現は2倍以上違ったとのこと(2014 Feb)

Commensal microbe-derived butyrate induces the differentiation of colonic regulatory T cells.

 

酪酸菌は食物繊維が大好物。

酪酸菌たちは、食物繊維がたくさん与えられると喜んでパクパク食べます。

その結果、分泌物として「酪酸」を出す。

酪酸があるとTレグ細胞がたくさん生まれます。

 

ちょっと分子栄養学的な話をすると、酪酸には、Tレグ細胞のヒストン脱アセチル化酵素を阻害する働きがあるので、ぐるぐる巻きのヒストンが緩んで遺伝子が発現しやすくなるという仕組みです。

マニアの方はこちらへどうぞ↓

腸内細菌が作る酪酸が制御性T細胞への分化誘導のカギ

 

大事なことは「遺伝子レベルで操作しているということ」だと思います。

Tレグ細胞の働きをよくするか、応援するとか、そういう類のハナシではなく、

酪酸ちゃんはTレグ細胞自体をガンガン増やすってこと。

なんというダイレクトな力強さ!

でも酪酸菌に酪酸ちゃんをたくさん産んでもらうには、食物繊維というプレゼントが必要なんです。

 

アレルギー撃退コンビ「酪酸菌+食物繊維」

本件、花粉症やアトピーに限ったことではありません。

リウマチや関節炎、橋本病など自己免疫疾患と呼ばれる部類すべてにおいて、Tレグ細胞が不足している状態です。

免疫異常がある場合は、ほとんどのケースでミヤリサンがお勧めなわけですが、ミヤリサンを飲むだけじゃダメってことです。

 

アレルギーに効かせるためには「酪酸菌+食物繊維」の組み合わせがマスト。

食物繊維とは、ゴボウ、こんにゃく、芋、シイタケ、海藻などなど。

いつも料理塾では、見た目の目安として「肉と同じ量、もしくはそれより多い分量の野菜類を」とお伝えしてます。

 

「ミヤリサン飲んでるけど、花粉症に効かねえなあ」という方はお食事内容を思い出してみてください。

食べてるものがマクドのハンバーガーではそりゃ効きませんて。

たっぷりの食物繊維で酪酸菌を喜ばせてください。

 

ちな私のおすすめ高食物繊維食は「おから」

使えるレシピが多いですよ。

 

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