白血球の分画で分かるストレス状態
分子栄養学的な白血球の分画の判断についてです。
白血球の分画で自律神経のバランスを推測することが出来ます。
まず、ざっくりと「リンパ球が30%以下、好中球が60%以上だと交感神経優位」と覚えておきます。
これを前提にこちらのデータを診てみましょう。
2012年2月のデータは「好中球60、リンパ球29」自律神経のバランスは良いのですが、
同年11月は「好中球76、リンパ球14」、かなりの交感神経優位になっていることがデータから読み取れます。
この時、このクライアントは特に風邪や感染があったわけではありません。
他のデータの数値は(分子栄養学的にはもろもろ栄養欠損があることが分かりましたが)一般的な検診データの基準としては正常範囲でした。
「この時、何かストレス抱えてました?」
クライアントに確認したところ、当時は仕事でたいへんなストレス状態にあったとのこと。
「なんで分かるんですか!?」と驚かれましたが、こんなにはっきり出てたら丸わかりです。笑
その後も2013年は割と良いバランスですが、2014年は「好中球70、リンパ球20」と、緊張(ストレス)が強い状態にあったことが見て取れます。
こういった、交感神経優位になりやすい方の場合、まずはじめにチェックするのは胃腸の状態です。
ストレスの影響を一番受けるのは胃腸だからです。
この方の場合、胃がすでに萎縮気味であることが分かりましたので、
消化吸収のサポート法と効果的なたんぱく質の摂取方法、交感神経を緩めるマグネシウムの採り方などをアドバイスさせていただきました。
交感神経優位だと好中球が増える問題点
好中球は身体に侵入してきた異物(細菌・ウィルスなど)をやっつける兵士です。
その時に使う武器が活性酸素です。
好中球は、活性酸素の強い酸化能力(殺菌力)を使って敵(病原体)をやっつけるわけです。
活性酸素は細胞にダメージを与えます。
敵に対して有効である反面、正常な細胞にもマイナスダメージを与えるのです。
ダメージを喰らった細胞のなれの果てが「ガン細胞」です。
また、好中球が増えるとリンパ球の割合が減ります。
リンパ球はガン細胞などと闘う特殊部隊です。
交感神経優位で好中球が増加するという状況は、
① 活性酸素により正常細胞が傷つきやすくなること
② ガン細胞と闘うリンパ球が少なくなるということ
という、ガン細胞には好ましい状態を作ることになります。
ストレスがガンの原因である理由
まとめると、
「ストレスで交感神経優位になる」→
「好中球が増えて活性酸素が発生する」→
「リンパ球が低下してガン細胞が増えやすくなる」
という図式です。
「ストレスがガンの原因」と言われる理由の一つが理解できると思います。
もちろん、「白血球の分画でリンパ球低下している」イコール「ガンの可能性」ではありませんよ、
あくまで自律神経の状態を確認するのに、白血球の分画が参考になるということです。
日々たくさんの方のデータを診ていますと、白血球の分画もその方の性格や体質とリンクしていることが良く分かります。
「ああ、緊張が強いタイプだな」という印象の方はリンパ球が少な目ですし、
うつ病など精神疾患系になりやすい方は、逆にリンパ球多めのことが多いです。
白血球の分画については、こちらでも書いていますのでご参考ください▼
【天気によって体調が変わる理由】白血球の分画で知る自律神経のバランス | ビタミンアカデミー