GABAという抑制系アミノ酸
GABAとは、アミノ酸の一種です。
正式名称を「γ-アミノ酪酸 (gamma-aminobutyric acid)」と言います。
通称「ギャパ」ですが、某菓子メーカーがGABA入りチョコレートを売り出してますので、けっこう知名度高いと思います。
アミノ酸とは、通常我々の血肉になるタンパク質の原料ですが、
GABAはDNAにコードされませんおで、タンパク質の原料にはなりません。
では何をしているかというと、脳内で神経の抑制性シナプスを運ぶという働きをしています。
GABAがあるおかげで、我々は精神の安定を保っていられるわけです。
「カクテルパーティ効果」はGABAのおかげ
ザワザワ、ガヤガヤ、多くの人の話し声が渦巻くパーティ会場でも、人間は自分が会話している人の声を聴き分けることが出来ます。
必要な音とそうでない音を、無意識に判断して選択、脳内で処理しているわけです。
これを「カクテルパーティ効果」と言います。
GABAが低下すると、この能力が低下すると言われています。
必要な音とそうでない音が聞き分けられませんので、脳内は常に騒音でうるさい状態です。
小さな音にも敏感になるため「聴覚過敏」とも言えます。
では、どういった場合にGABAが低下して、この聴覚過敏が起こるのかを見ていきます。
GABAの原料は「グルタミン」
GABAの原料はアミノ酸の一種であるグルタミンです。
「グルタミン → グルタミン酸 → GABA」と変化します。
このグルタミン酸からGABAへの変換を担っているのが「GAD」という酵素です。
GADはビタミンB6が補酵素です。
GABAは脳神経を抑制させる作用があるのに対して、グルタミン酸は脳を興奮させる作用があります。
GADがビタミンB6を補酵素にバランスよく働くことで、興奮と抑制のバランスがとれているわけです。
ところが、GADの働きが悪かったり、ビタミンB6不足であると、この代謝がうまくいきません。
この時、脳内ではグルタミン酸が増加して、GABAが低下するという状態が起こります。
つまり、GADという酵素を作る遺伝子に欠損があったり、ビタミンB6不足の状態が続いていれば、カクテルパーティ効果が低下することになります。
他にも、腸内環境が悪かったり、ビタミンK不足、亜鉛不足があっても、グルタミン酸→GABAへの変換が阻害されます。
発達障害や自閉症の場合は、この酵素に異常があることが多いため、小さな音に過敏であったり、授業中に先生の声が聞き取れないといった症状が出ることが多いです。
(参)自閉症スペクトラムではグルタミン酸とGABAのアンバランスが神経に炎症を起こしている(2014)
また、「てんかん」という発作はGABA不足が関係していると言われています。
「てんかん」は、何か刺激で脳の細胞が興奮してそれが抑えきれなくなって痙攣を起こすのですが、
GAD酵素を欠損させて脳内のGABAが半分に減ったマウスは「てんかん発作」を起こすことが分かっています。
(参)理研BSIニュース「GABAのはたらき」
発達障害や自閉症の方が、グルタミン酸の過剰摂取に気を付けなければいけないのは、こういった理由です。
グルタミン酸過剰になりやすい食品添加物や、グルタミン酸と似た構造を持つ人工甘味料(アスパルテーム)に注意が必要です。
リーキーガットや腸の炎症がある方には、サプリメントでグルタミンを使うことが一般的ですが、
既往歴を聞いて精神疾患や発達障害があれば、グルタミン摂取には注意が必要になります。
対面コンサルの場所選びが難しいという悩み
GAD異常があるなしにかかわらず、メンタルやばめの方は、大なり小なりビタミンB6不足がベースにあります。
ビタミンB6不足があれば、周りの騒音が普通の人の数倍以上のストレスになるわけです。
いつも頭を悩ますのは、対面コンサルでの場所選びなんですよねぇ。
都内の渋谷、新宿などは、カフェが混んでてとにかくうるさい。
隣の話声が丸聞こえというプライバシーの問題よりも、人の喧噪のほうが問題としては大きいです。
出来るだけ人の少ない午前中を選んだり、スペースに余裕のあるホテル内を選んだりしますが、毎回けっこう悩ましい。
話が逸れましたが、音が気になって集中できなかったり、人の声が判別しにくかったり、
それらは脳内で何らかのバランス不全が起きている可能性が高いということです。
ちなみに、私は調子が悪い時(VB6不足が激しかったと思われる頃)、
飛行機や新幹線に乗るとエンジン音がとても不快でした。
飛行機で本を読んだり、ぐっすり寝れる人が不思議でしたが、たぶんGABA低下はあったと推測しています。