【タンパク質の状態を改善する方法】オートファジーを活性化するには?

タンパク質の代謝について

タンパク質が壊されることを「異化(カタボリック)」、合成されることを「同化(アナボリック)」と言います。

身体のタンパク質は毎日、異化と同化を繰り返して、常に代謝しています。

 

毎日どれくらいのタンパク質が壊されているのかというと、およそ200gです。

1日あたりに食べるタンパク質の量ですが、体重1㎏あたり1.0g~1.5gが良いとされています。

体重50kgの女性であれば、50g~75gのタンパク質が必要ということです。(参考▼)

加齢によって必要なタンパク質量は減らない、高齢者こそタンパク質が必要という調査結果 | ビタミンアカデミー
従来の栄養学では足りてなかったタンパク質 人間の身体は常にたんぱく異化と同化を繰り返しています。 「たんぱく異化」とは、簡単に言えばたんぱく質が分解されてしまうことです。 「たんぱく同化」は、その逆でたんぱく質の合成です。 「たんぱく異化」=「たんぱく同化」であれば、均衡状態なので生体機能は落ちません。 では食物としてどれくらいたんぱく質を摂れば、均衡状態が保たれるのか? 実は、栄養学上の絶対的な

 

さて、感の良い方ならここで疑問が生じるはずです。

「毎日200gのタンパク質が分解されるなら、200gのタンパク質を食べなきゃいけないはず。50g~75gだと足りなくね??」と。

 

実は、身体には自分のタンパク質をリサイクルするシステムが備わっています。

食事から補給されるタンパク質が50gだとすると、残り150gはリサイクルされたタンパク質でまかないます。

 

このたんぱく質のリサイクルシステムを「オートファジー」と言います。

オートファジーとは、細胞内に生じた異常なタンパク質を分解して、それを再利用する人体の仕組みです。

2016年に大隅良典博士がオートファジーのメカニズムを解明して、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

オートファジーは、劣化した細胞や出来損ないになったタンパク質から壊して再利用していきます。

いわば身体の自動浄化システムですね。

 

 

オートファジーを活性化するコツ

食べるタンパク質で補う分が50gなら、残り150gがオートファジーでまかなわれているということです。

つまり食べるタンパク質よりもずっと量が多い。

食べるタンパク質も重要ですが、オートファジーを効率よく動かすことで、タンパク質の状態がよくなると言えます。

 

オートファジーを効率よく働かせるコツのひとつが質の良い睡眠です。

オートファジーは睡眠中、絶食中に盛んになることが分かっています。

夕方7時に夕食を食べたら、早々に寝る。たっぷり睡眠をとることです。

睡眠中の7~8時間は絶食と同じ状態ですから、オートファジーが活性化します。

 

睡眠中は、特に脳のタンパク質のオートファジーが進むそうです。

睡眠不足だと、オートファジーが機能低下して、脳にアミロイドベータというタンパク質が溜まります。

アミロイドベータはアルツハイマーの原因と言われているタンパク質のゴミです。

 

絶食、つまりファスティングもオートファジーを活性化する一つの方法です。

血糖障害や副腎疲労がなければ、ファスティングは効率よく体タンパクの状態を良くするきっかけになると思います。

 

ファスティングは荒治療なので、専門家の指導の下で行っていただくとして、

まずは毎日簡単にできるオートファジー対策、これは質の良い睡眠をとることです。

 

体調不良を訴える方のデータを拝見すると、一様に体タンパク質の状態が良くありません。

交感神経をしっかりオフにして、ぐっすり寝ること。

これが「食べる」ことと同じくらいに、いやそれ以上に、タンパク質の状態を改善する治療となります。

 

オートファジーについて、ノーベル賞受賞の大隅教授のお弟子さんの水島教授の著書です。分かりやすくて初心者向けでした。

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