副腎疲労・甲状腺機能低下症でコーヒーを禁忌にする理由【カフェインの副作用】

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視床下部、下垂体、副腎のHPA系について

視床下部、下垂体、副腎、この3つのことを英語の頭文字(hypothalamic, pituitary, adrenal)をとって「HPA系」と言います。

ストレスを感じると、それを脳の視床下部がキャッチ、下垂体に指令を出し、その指令を受け取って副腎がコルチゾール(ストレスホルモン)を発動します。これがストレス応答です。

HPA系はストレスに対応するための、人間の非常用システムで常に連携をとっています。

ストレス処理がうまく健康な状態とは、視床下部、下垂体、副腎のHPA系の連携がスムースで制御に問題がないということです。

ストレスでうつ病になるのは、このHPAがぶっ壊れるせいだとも言われています。

 

HPA系は、例えて言うなら、視床下部が本社の経営幹部、下垂体が支社長クラス、その部下が副腎で、コルチゾールが平社員です。

経営本部(視床下部)から支社長(下垂体)へ伝えられた指示によって平社員(コルチゾール)は働きます。

下垂体は甲状腺、副甲状腺といった支社も管轄してます。

甲状腺ホルモンの検査をすると、THS、FT4、FT3という3つのホルモン値を測定します。

平社員(FT4、FT3の甲状腺ホルモン)の働きが悪いと、下垂体から支社長の指示命令が多くなります(TSH上昇)。

これが「甲状腺機能低下症」の状態です。

甲状腺ホルモンもHPA系に関係が深いことがよく分かると思います。

そしてこのHPA系を刺激するものの代表が「カフェイン」なのです。

自覚のないコーヒー中毒

カフェインは脳に作用してドーパミンレベルを上げます。

ドーパミンは報酬系の脳内伝達物質ですから中毒になります。

機序的にはギャンブルやドラッグにはまるのと同じです。

コーヒーの問題点はそこら中で手に入りやすいという点です。

中毒性があり手軽、だから売る側も儲かる。

 

問診では、みなさん「コーヒーは1日1杯ぐらいです」とおっしゃいます。

「だから中毒じゃない」と思っている。実はこれがクセモノです。

例えば「蒟蒻が好き」という人がいるとします。

「蒟蒻を食べなきゃ1日が始まらない」とか、

「ついつい蒟蒻食べちゃうのよね」とか、

いくら蒟蒻が好きでも言わないですよね?

でもコーヒーだとこれが簡単に起こるのです。

これが脳に作用しているか否かの違いです。

 

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HPA系を刺激するもの

コーヒーを飲めば気分が上がります。

これはコーヒーがHPA系を刺激するので、一時的に非常用のホルモンで気分が闘争モードになり、活力が出た気になっているだけです。

言い換えれば、ストレス応答と同じ反応を無理やりコーヒーで起こしているとも言えます。

カフェイン以外でも、HPA系を刺激するものは他にもあります。例えば、

・アルコール
・タバコ
・シュガーハイ(血糖値の急上昇、つまり甘いもの)
・小麦グルテン(代謝の過程で麻薬用物質のカソモルフィンになる)
・乳製品のカゼイン(グルテン同様、カソモルフィンになる)

どれも中毒性の高いものです。

副腎疲労の治療では、これらのものを避けるよう指示される理由がよくわかるかと思います。

グルテン、カゼインは腸粘膜を刺激するので、リーキーガットの治療のためにも排除するよう指導されますが、HPA系刺激様物質という意味でも避けたほうが良いです。

自律神経とHPA系

ストレス応答により、副腎はコルチゾール、ノルアドレナリン、アドレナリンといったホルモンを分泌し、交感神経優位になります。

HPA系がイカれると、自律神経のバランスも崩れます。

また、視床下部は自律神経機能の制御も担っており、交感神経・副交感神経を調整しています。

コーヒーによるドーピングは、自律神経の制御バランスを壊すリスクがあります。

痩せると話題の「完全無欠コーヒー」について

ひと昔前、こちらの大ヒット本のせいで「バターコーヒー」がブームになりました。

こちらの本では、コーヒーの健康メリットが語られています。

もし、その点についてどう思うかと聞かれたら、

「シリコンバレーのIT企業を立ち上げ成功させるようなコーケイジャン系の男性と、
ご自身の身体のスペックが同じだと思うのであれば、
どうぞバターコーヒー飲んでください。」

と答えます。

確かにコーヒーには体脂肪を減らすといった効果が認められています。

しかしながら、脂肪燃焼・代謝UPという効果も、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが潤沢に用意されている人のみが享受できることです。

四季の変化が激しく、気圧の変動も1日単位で急激に変化する日本と、毎日快適な過ごしやすい気候であるカルフォルニアを同じに考えないことです。

自律神経は気圧の変化に対応して血圧や体温の微調整を行っています。

天候の変化が激しい地域に住む人と、安定した気候の地域に住む人とでは、ストレスの大きさも負荷も違います。

それでなくても真面目で神経質で、副腎を酷使しやすい日本人が、そのまま真似して同じ様にメリットを教授できると思わないほうが良いです。

コーヒーを止めるという治療法

分子栄養学の栄養カウンセラーの勉強をする前はコーヒーなんて別に関係ないと思っていました。

しかしながら、現場で起きていることは、副腎疲労、うつ病、甲状腺機能低下症、これらの患者さん、まるで申し合わせたように全員コーヒー中毒という事実。

「コーヒー止めてください。」
「デカフェじゃダメですか?」

この押し問答を何度聞いたことか。

 

しっかり治療しようと思ったらHPA系の刺激になるものは排除するに越したことはありません。

健全な脳の機能と自律神経、身体の内分泌系をメンテナンスしようとすれば、コーヒーは禁忌なのかよく理解できると思います。

私が過去、一過性の甲状腺機能低下症になった時、やはりコーヒーを毎日飲んでいました。

多くの患者さんと同じように、自分が中毒だという認識はありませんでした。

甲状腺機能低下で落ちた代謝を補うために、身体が自然にドーピングを求めていたのだと思います。

 

「コーヒーを毎日飲んでいる」場合、実は副腎疲労予備軍かもしれません。

自律神経の乱れから、睡眠が浅くなったり、気圧の変化に弱くなったり、微妙なQOLの低下を感じる場合は要注意です。

何か特別なサプリメントが必要なわけでもなく、ただカフェインを避けるだけで良いのです。

こんなに簡単な副腎疲労対策はないと思います。ぜひやってみてください。

 

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