聴覚過敏・視覚過敏と栄養素の関係
豆球も消して真っ暗にしないと眠れないとか、小さな音が気になって眠れないという人がいます。
例えば、こんなネットで見つけたこんな悩みです。
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「ドアのわずかな隙間から漏れる光も気になって眠れない」
これも分子栄養学的に原因を説明するならモノアミン系のアンバランスが原因です。
この方が特別に耳の機能が良好で、小さな音も聞こえるという話ではありません。
耳ではなく、聞こえた音を処理する側、つまり脳の問題です。
PCで言うなら、ドライバじゃなくてCPUのほう。
なので、こういった方は、音を無音にするために耳栓をすると、今度は自分の心拍音が気になりますし、目をつぶっても、ほんのわずかな光が気になったりします。
この場合、単純な栄養による解決方法はビタミンBとマグネシウム、鉄の補充です。
ビタミンB、マグネシウム、鉄は脳のセロトニン代謝を正常化させる栄養素だからです。
ただし、サプリメントの補充だけで解決するのは、10%の人くらいでしょうか。
光に過敏という症状は、氷山の一角です。
なぜこの人はそれらの栄養素が不足する状況になったのか?
問題はむしろこちらのほうで、そこに焦点を当てないと、あれもこれもとサプリメントが増え続け、サプリメント依存症という状態になってしまいますので要注意。
栄養素の不足だけでなく、ストレスによる聴覚過敏というのもあります。
例えば、ネットで見つけたこの質問
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ストレスがたまると聴覚過敏になるケース、これも分子栄養学のモノアミン代謝で説明可能です。
トリプトファンからセロトニンへの代謝が、ストレスや炎症によりキヌレニン合成に回ってしまい、間接的にセロトニンが生成されにくくなっているためです。
キヌレニン仮説についてはこちらでも書きましたのでご参考ください▼
NHKスペシャル「発達障害〜解明される未知の世界〜」
先日のNHKスペシャル「発達障害 ~解明される未知の世界~」をたいへん興味深く拝見しました。
番組の中で、日常の何気ない音や光が、発達障害と診断された方にはどう聞こえているのか、リアルに再現していました。
例えば、多くの人にとっては何も気にする必要のない、空き缶がゴミ箱に捨てられる音。
これが、発達障害の方には、自分のすぐ側で鳴っているように聞こえます。
カランコロンという金属音が、街を歩いているだけで、背後で不意に襲ってくるので、常に恐怖心と戦わなければなりません。
ぬいぐるみを抱いていなければ、他人とコミュニケーションがうまく取れない男性が登場していました。
小さな子供が毛布をずっと握っているような、まさしく「体感入力」がなければ精神的に不安定になるというのが、とてもよく理解できました。
栄養療法は、発達障害や自閉症の方に対するケアとして有効で、実績もあります。
発達障害の場合、栄養素を増やせばよいといった単純な話ではなく、エピジェネティクスな解法も必要になります。
うちの夫さんが仕事のストレスで大変なとき、同じようにやたら視覚も聴覚も過敏でした。
パソコンの液晶も眩しすぎ、テレビの音もできるだけ小さくしたい、etc.
当時は栄養不足にならないよう、かなり注意していたので、なんとか乗り切れましたが、知らなかったら夫婦喧嘩ばかりしていたかもしれませんね。
「音に過敏、光に過敏、これも栄養と関係があり」というお話でした。