赤ちゃんのような富士山唇が意味すること
ご相談を受ける時に、必ず観察するポイントがあります。
もし、上唇がペラペラで富士山のようなめくれた唇だと、高確率で胃腸の状態がよくありません。
本人には自覚がなくても、胃腸粘膜の慢性炎症を疑います。
理由は3つあります。
富士山唇は、口輪筋が未発達であり、普段から口呼吸であることを示唆します。
生後間もない赤ちゃんは、口の周りの筋肉が未発達なので富士山唇です。
離乳食が始まり、笑ったり歯が生えたりすると、口の周りの筋肉が発達して富士山唇は消失します。
大人になっても富士山唇ということは口呼吸が癖ということです。
口呼吸だと上咽頭に慢性炎症がほぼ100%あります。
胃腸などの消化管は口から肛門まで地続きであり、一本の土管です。
上咽頭に慢性炎症がある場合、胃腸にも慢性炎症が発生しています。
慢性炎症には本人の自覚症状がないため、見た目と症状で判断するしかありません。
2つめの理由は、口輪筋が未発達ということは、普段の食事でよく噛んでないということです。
咀嚼が不十分なため、胃に負担をかけやすく、小腸内に未消化物を残しやすい。胃腸が脆弱になる要因です。
3つめは、そもそもなぜ筋肉が発達しないのか?という理由です。
口元は365日休まず働く筋肉です。
手の母指球と一緒で、特にジムでトレーニングをしなくても、日常生活でそこそこ発達すべき部分です。
ストレスホルモンのコルチゾールやアドレナリンが高く、筋肉がつきにくい状況にあることが推測されます。
富士山唇に代表される口輪筋が弱い人独特の、パワーの無い口元をしている場合、食事内容を改善して高タンパク食にするとか、サプリメントとか、そんな解決法は通用しません。問題はそこじゃない。
まずは栄養を吸収しやすい身体の環境を整えるために、口呼吸の改善や口腔内と上咽頭のチェック、ストレスコントロール、抗炎症アプローチ、咀嚼の指導、消化酵素の補助などが必要です。
人気タレントの桐谷美玲さん。この富士山唇が人気だそうです。
水着姿を見てびっくり。これは痩せすぎですよ。
今はまだお若いですが、40代になったら高確率で副腎疲労になりそう。AST15、ALT10ぐらいな気がします。
梅干し顎だと高ストレスの理由
富士山唇とは、また別の「梅干し顎」というのもあります。
これも口輪筋が弱いために、おとがい筋に不要な力が入る場合の特徴です。
これは芸能人でいうと多分あの子だ。とググったらすぐヒットした。
口呼吸のことを書いたこの時から、2回目の登場▼
漫画で顎に梅干しを書くのは、困難にぶつかった表情を書く時です。つまりストレス時。
普通にしていてもそれが癖になるということは、かなり頑張り屋(ストレス状態が常に高い人)なんではないかと。
日常的にストレスが強いとは、栄養不足とかエネルギー不足とか、細胞レベルで何かが起こっていることを推測します。
この場合も交感神経が優位の緊張状態が常に続いており、胃腸は消化力がなく栄養吸収に問題がある場合がほとんど。
AKBでの彼女の頑張りを見てるとなんとなく納得です。
テレビで見かけるたびに「副腎疲労にならない程度にリラックスして頑張ってね」と思います。
食事内容の改善とサプリメントで、身体を再構築していくのが栄養療法です。
しかし、栄養を吸収する側の胃腸に問題があれば、どんな高価なサプリメントも、お肉を食べても無駄になります。
CRPには反映されない胃腸の慢性炎症や高ストレス状態は、その方の見た目に現れることが多いため、視診(見た目で診断)はとても重要なポイントになります。
「40歳過ぎたら見た目が100%」ですよ。