副腎疲労の3つの段階
副腎疲労には、がんと同じように段階があります。
3つの段階をわかりやすく説明してみます。
副腎疲労の第一段階「警告期」
身体がストレスに対して初めに反応する段階です。
この段階では、ストレス過剰であることに気付いていません。
身体には何かしら反応が出ていますが、コーヒーやカフェイン入りドリンクでごまかしが効きますので、疲労感をはじめとする症状は全く感じません。
副腎疲労の第二段階「抵抗期」
ストレスに抵抗するため、副腎が常に活性化している状態です。
副腎皮質ホルモンの分泌量が正常値より大幅に上昇し、コルチゾールが多く出ているので、エネルギッシュに動き回れます。
感情の起伏が大きくなる、血圧の上下が激しくなる、血糖値が安定しなくなる、といった身体の反応が表面化してきます。
抗ストレスホルモンは多く分泌されて、交感神経が優位になるので、自分は元気だと錯覚します
ハイテンションで全く疲れを感じないか、だるい、疲れるといった自覚症状を感じるか極端です。
お昼ご飯を食べたあと睡魔がきます。
夜のメラトニンも作られにくくなるので、寝つきが悪い、寝つきが良くても睡眠の質が低下します。
「抵抗期」では、副腎が大きくなります。従来の大きさだとストレスに見合うだけのホルモンを作れないため、副腎そのものを大きくしてホルモンの増産体制に入るからです。
エナジードリンク、コーヒーなどカフェイン中毒になるものこの時期の特徴です。
副腎疲労の人がコーヒー中毒になりやすいことはこちらで書きました▼
【アドレナルファティーグ】うつ病とは違う副腎疲労の3つの特徴 | ビタミンアカデミー
副腎疲労の第三段階「疲はい期」
「抵抗期」が長期間続き、副腎が完全に疲弊、機能が著しく低下した状態です。
疲はい期には副腎皮質ホルモンの分泌量が正常値より大幅に減少します。
朝起き上がれません。
たくさん寝ても疲労感が抜けず、朝の目覚めが悪くなります。
免疫が低下して、風邪をひきやすくなります。
線維筋痛症やアレルギー、免疫疾患など、他の病気と複合的になってくる場合も多くなります。
頭がぼんやりする、精神的にも落ち込み、物事を否定的に考えるようになり、うつ症状が出てきます。
多くの人が異常を感じて病院へ行くのは、この「疲はい期」に入ってからです。
副腎疲労「抵抗期」と「疲はい期」は真逆の症状
副腎疲労の3つのステージをまとめると、以下の図になります。
これはカナダ人の生理学者ハンス・セリエの「ストレス反応論」が元になっています。
副腎疲労の第二段階「抵抗期」と第三段階「疲はい期」では、副腎ホルモンの状態が真逆なのです。
抵抗期には早口でせかせかと動き回りますが、疲はい期には頭が回らずぐったりと動けなくなります。全く逆の症状です。
これは、抵抗期にはアドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなど副腎ホルモンの分泌量が正常値よりも上昇するためです。
大事な仕事の前に風邪をひかない理由
大事な仕事の前、気合いの入った状況だと、多少無理をしても風邪をひかないのに、終わってしまうと急に風邪をひいてダウンしてしまった、といった経験は誰にでもありますよね。
これは副腎が、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールなどのホルモンをたくさん出しているおかげです。
五本木クリニックの院長が「徹夜でノリノリで仕事をしていたら花粉症が治ってしまった」現象を解説されてました。
これも、まさしく副腎ホルモンがフル稼働していた状態ですね。
テンションあげあげの交感神経優位だと、自分は元気だと勘違いします。
実は副腎ホルモンがストレスに抵抗しているだけなので、ストレス状態が終わったとたんに体調が悪くなります。
精神的な落ち込み、うつ症状、燃え尽き症候群といった状態になることもあります。
もし、ストレス状態が長期に継続すれば、第二段階の「抵抗期」から第三段階の「疲はい期」に移行します。
「疲はい期」は、副腎が抗ストレスホルモンを作れない状態です。
こうなると、全く踏ん張りが効かなくなります。
第二段階の「抵抗期」、または第一段階の「警告期」で、ストレスの存在に気づき、頑張っている自分を認め、副腎をいたわるような生活を心がけましょう。