「カロリー」は問題じゃない?
分子栄養学でのお勉強は(栄養学とはいえ)食べ物のカロリーはほぼスルーです。
栄養学と言えば「この食品は○○キロカロリーです」とか、「低カロリーだからヘルシー」という表現をよく使います。
しかしながら、分子栄養学では食べ物の「カロリー」が問題となることはほぼありません。
完全にゼロと言ってもいいくらい。
なぜか?
分子栄養学では、「カロリー」で表現される「熱量」よりも、代謝で使われる「ATP(アデノシン三リン酸)」という物質(細胞が使うエネルギー入れ)のほうが重要だから。
生命の活動はATPあってこそ。
身体でタンパク質が合成されるときも、細胞のアポトーシス(自然死)が正常に稼働するのも、腸管が栄養を吸収するにも、全てATPが使われます。
健康とはATPが効率良く生み出せる身体
健康とは「食べ物からいかに効率良くたくさんのATPを生み出すか?」によって決まります。
同じ食品を食べても、使える栄養素の多寡で、その食べ物から生み出せるATPの量が個々人によって違ってきます。
これが健康の格差。
食品から効率良くたくさんのATPを生み出せる人が健康体。しょぼい量のATPしか生み出せない人が不健康。
たとえハイカロリーの食べ物を食べても、ビタミンB群や鉄などが不足して解糖系しか使ってなかったら、ショボいATPしか作れない。
結局のところ、食品からいかにたくさんのATPを生み出す身体を作るか?なのですよ。
ちなみに、1日に合成されるATPはなんと50㎏(参考記事↓)
「カロリー」理論は棚に上げて大丈夫
そんなわけで、分子栄養学のお勉強で「カロリー」という言葉はほぼ使いませんので、忘れていただいても大丈夫です。
そもそも・・
「食品が何キロカロリー」という表現は、その食品が空気中で燃えたときの熱量のこと。
”空気中で燃える”という反応と、身体の中で起こるさまざまな代謝が全く同じか⁉(んなわきゃねーよ)
というわけで、「カロリー(意味)ゼロ」理論でした。
今日のポイント
分子栄養学では、食品自体のカロリーよりも、食品から作られるATPが重要