ギリシャ人とオランダ人の酸化ストレスを採血データで比較
酸化ストレスの度合を何のデータで比較するか?参考になった論文のメモです。
ギリシャのクレタ島に住む男性105人と北ヨーロッパ(オランダのズトフェン)139人を採血して調査したところ、ギリシャの男性の方が酸化ストレスが少なかったよ、という調査結果です。
採血データの酸化ストレスを計測した項目は、以下の4点。
- ヒドロペルオキシド
- γ-GTP
- フェリチン
- 血清リコピン濃度
ヒドロキシペルオキシド(過酸化物)は、ギリシャ人が24.1ポイント少ない
γ-GTPは、ギリシャ人20.3、オランダ人26.1で、ギリシャ人が5.8IU低い。
フェリチンは、ギリシャ人69.8、オランダ人134.2。ギリシャ人はオランダ人の約半分。
リコピンは、15.3対4.1。ギリシャ人のリコピンはオランダ人の約4倍。
いずれのデータもギリシャ人男性のほうが、酸化ストレスが少ないことを示しており、冠状動脈性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)や、慢性疾患が少ないことと関係があるのでしょうと。
このあたりの研究は”地中海式ダイエットが良い”とされた一時期のブームを後押しするもので、似た研究は他にもたくさんあります。
地中海式の食事とは
ちょっと本題から離れるのですが、知識が浅い方のために、地中海式ダイエットとは何か?を簡単に補足しておきます。
Adobestockで、「地中海、食事」で画像検索すると、こんな画像がわんさか出てきます。
ポイントとしては、生鮮食品が多く、肉も食べるけど、魚や豆が多い。
これに対して、「北ヨーロッパ、食」で画像を拾ってくると、こんな感じです。
写真だと美味しそうですけどね。
北ヨーロッパの食事は、肉が多く、野菜はポテト、生鮮食品が少な目。あとはハムやベーコンなどの加工肉文化。
地中海式の食事は、色鮮やかな野菜、ナッツ、豆類、魚介類が豊富な食事のイメージ。抗酸化物質もたっぷりです。
こういったお食事してると(気候や人種の違いはさておき)酸化ストレスが少ないのはごもっともですねぇ。
酸化ストレスを知るには採血データのこれを確認
本題に戻ります。
個人的には先の調査で、酸化ストレスの指標とされた項目が参考になりました。
ヒドロキシペルオキシド、血清リコピンを、採血して知ろうなんて人はまずいないと思いますが、γGTPとフェリチンは検診データでお馴染みです。
フェリチンは鉄の貯蓄です。
フェリチン値が低いのは問題ですが、高いのも酸化ストレスが高くなります。
γGTPはグルタチオンに関係します。
”γGTPが25を超えてくると、抗酸化物質グルタチオンの低下を疑う”というのは以前記事にしました。
男性はフェリチン値がすごく高い人が多くて、どの程度が健康的なのか疑問に思うところですが、リアルなデータが参考になりました。
今日のポイント
γGTPとフェリチン値は、酸化ストレスの参考になるかも