カルニチンの合成に必要な栄養素
カルニチンの合成に必要となる栄養素はビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6、鉄。
カルニチンを合成する能力は年齢と個体差が大きいようです。
ミトコンドリに脂肪酸を運ぶ働きをするL-カルニチン。
お食事から摂取する脂質は、ミトコンドリの膜を通るために、L-カルニチンと合体する必要があります。
脂質をエネルギーに変えるためには、L-カルニチンが必要です。(※中鎖脂肪酸を除く)
L-カルニチンはヒトの体内で合成されます。
カルニチンの合成に必要となる栄養素をまとめました。
L-カルニチンの合成には、必須アミノ酸(リジン、メチオニン)と、ビタミンC、ナイアシン、ビタミンB6、鉄が必要です。
L-カルニチンの合成に、ビタミンCと鉄は重要度が高い。
ビタミンCと鉄は合成経路の上流で必要、尚且つ2度必要になることが分かります。
ヒドロキシ化するのに、ビタミンCの水酸基と触媒として鉄を使うところは、コラーゲンの合成と同じ仕組みですね。
L-カルニチンの血中濃度は、個人差が大きいです。
合成するための栄養素の過不足が反映されやすいのかもしれません。
これらの栄養素をサポートせずに、ラード・牛脂をモリモリにする昨今流行りの(?)高脂質ダイエットを成功させるのは難しいのではないでしょうか。
L-カルニチンを合成する酵素を持つ臓器3つ
L-カルニチンの合成をするのは、肝臓、腎臓、脳の3つの臓器のみ。
それ以外の臓器・組織の細胞に、L-カルニチンを合成する酵素が無いため、血中のL-カルニチンを利用しています。
腎臓がATPの大量消費臓器であることは、昨日の記事の通りです。
L-カルニチンは、ミトコンドリを機能をサポートするとして、自然療法医学の権威ジョゼフ・ピゾルノ博士が選ぶトップ5にもランクインしてます。
L-カルニチンを多く含む食品
肝臓、腎臓、脳以外の臓器・組織は、血液中のL-カルニチンを利用していますから、お食事で摂取するL-カルニチンも重要です。
L-カルニチンが多く含まれる食材は、ラム肉、牛肉。
中医学では、「ラム肉は身体を温める、豚肉は身体を冷やす」と言われています。
ハワイや沖縄では豚肉を食べ、北海道ではラム肉を食べる文化があります。
100gあたりのラム肉には200㎎のL-カルニチンが含まれるのに対し、豚肉には20㎎程度しか含まれません。
(ラム肉が「身体を温める」とされるのは、もしかして・・以下ry)
分子栄養学を勉強しておりますと、ふとした瞬間に中医学の知恵と食文化の背景が、科学的ロジックでつながる瞬間があり、これが楽しいのです。
今日のポイント
L-カルニチンの合成に必要な栄養素は①ビタミンC、②鉄、③ナイアシン、④ビタミンB6
L-カルニチンの合成は肝臓、腎臓、脳で行われる
L-カルニチンの血中濃度は個体差が大きい