EPAとDHAの違い ~脳とDHA~

脳の脂質の多くが「DHA」

脳の乾燥重量の半分以上が脂質。

そのうちの多価不飽和脂肪酸の60%以上がDHA

対して、EPAはたったの0.1%以下です。

まごめじゅん

脳でのDHAの存在感たるや、半端ないのです!

脳内のDHAは食事由来

人間は直接DHAを合成することが出来ません。

DHAは、α-リノレン酸か、EPAからを経て合成されるが、その合成率はかなり低い(α-リノレン酸⇒EPA 5%、EPA⇒DHA 0.5%)

脳神経細胞にはDHAを合成する不飽和化酵素が欠損しているため、脳内のDHAは直接食事から摂取されるものに由来する。

食事から得られたDHAの半減期は血液中で2分、脳で2年半

Imaging incorporation of circulating docosahexaenoic acid into the human brain using positron emission tomography., J Lipid Res. 2009 Jul;50(7):1259-68.

赤血球のDHA量が少ないと脳容積が小さく認知機能も低下

高齢者やアルツハイマー型認知症患者の末梢血や、死後の脳を調べると、健常者に比べてDHA量が低下している。

また、赤血球の細胞膜中のDHA量の低い群では、MRI画像上の脳容積が小さく、認知機能テストのスコアも低値を示す。

Red blood cell ω-3 fatty acid levels and markers of accelerated brain aging., Neurology. 2012 Feb 28;78(9):658-64.

DHAとEPAの違い

DHAは脳の機能維持に重要で、脳神経保護作用に働いています。

DHAとEPAの違いを初心者向けに説明する際、大雑把に「DHAは脳、EPAは首から下、効くポイントが別です」といった説明をするのは、こういった経緯があるから。

「頭の良い子にはお魚」「ボケないためにはお魚」という、ありふれたキャッチコピーを再確認しました。

  

理想とされる1日のDHA量は1,000㎎程度

秋はDHA豊富な筋子やサンマが出回る季節。特に筋子は他を圧倒するDHA量です。

美味しくいただきましょう。

   

今日のポイント

  • 脳の脂肪酸の半分以上がDHA
  • 脳内でDHAは合成されず、ほとんどが食事由来

   

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