細胞外ATPは炎症物質
以前も書いたのですが、
もう少し分かりやすく
細胞外ATPについて
補足してみたいと思います。
分子栄養学をお勉強すると、
「ATPが足りない・・」とか
「ATPを増やすには」とか
寝ても覚めても
「ATP、ATP・・・」
「ATP妖怪か!こいつらは!」と
うなされる日が必ず来ます(ウソ
このATPですが、
細胞内で増えることは重要ですが、
細胞外に飛び出してしまうと
なんと炎症を起こしてしまう
かなり厄介モノだということ、
ご存じでしょうか?
![](https://vitaminj.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/04f86ea9c104d100d663feb8a9a65769-3-1024x576.jpg)
細胞外でのATPの代謝
ATP(アデノシン三リン酸)は
アデノシンにリン酸が3個
くっついた形をしています。
ATPからリン酸が一個外れると、
ADP(アデノシン二リン酸)に。
さらに、リン酸が外れると、
AMP(アデノシン一リン酸)に。
最終的にリン酸が全部とれて
しまってアデノシンになります。
ATP
→ADP
→AMP
→アデノシン
このATPの代謝をまず覚えるべし。
![](https://vitaminj.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/63ead695680eb0c485fa3f134844052f-3-1024x576.jpg)
もし、細胞膜が何らかの形で破れて、
細胞内にいたATPが
細胞の外に飛び出したとします。
ここでポイントなのですが、
ATPとADPは炎症を起こす、
アデノシンは抗炎症に働く、
というのがミソです。
つまり、ATPが細胞外に
押し出されてしまっても
アデノシンまで速やかに
代謝されてしまえば問題なし。
![](https://vitaminj.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/0ae7c62e50dc705df75843b104ce66cd-2-1024x576.jpg)
細胞外ATPの代謝に必要な栄養素は「亜鉛」
では、この細胞外のATPを
アデノシンまで代謝させるのに
重要な栄養素が何かというと
それは「亜鉛」です。
ATPからADP、AMP、
アデノシンに至るまで、
全てのステップで亜鉛が必要。
![](https://vitaminj.tokyo/wp-content/uploads/2020/08/2839ab849d9b2c81bd86f4778e9767e3-3-1024x576.jpg)
なので、
炎症を抑える塗り薬には
亜鉛入りのが多いです。
例えば『亜鉛華軟膏』
傷とかやけどに塗るお薬。
ステロイドとかと違って
穏やかに炎症を抑えてくれます。
女性の化粧品、パウダーとか
日焼け止めなどにも酸化亜鉛が
使われていることが多いですね。
ナチュラル系のコスメには
よく見かけます。
細胞外のATPは炎症の元、
それを抑止するのは亜鉛
と覚えましょう。
今日のポイント
・細胞外に出たATPは
炎症物質である。
・細胞外ATP、ADPが
アデノシンまで代謝
されると抗炎症に働く
・細胞外ATPをアデノシン
に代謝する栄養素は亜鉛