物忘れ、認知症にはまずマグネシウムを
物忘れ、認知症には、まずマグネシウムを!
その理由の一つがNMDA受容体です。
勉強すればするほど、脳にはマグネシウムが重要なんだと分かってきました。
その理由の一つがNMDA受容体です。
NMDA受容体
学習や記憶に重要な働きをする「NMDA受容体」
NMDA受容体の起動スイッチを入れるのはカルシウムイオン(Ca²⁺)
カルシウムイオンが受容体に流入すると、記憶システムが起動する。
カルシウムイオンの流入が多すぎて、NMDA受容体が、過剰に起動するとイライラしたり、興奮したりよろしくない感情・情動の反応が起こる。
栄養療法では、NMDA受容体が過剰に起動するほうが問題とすることが多い。
多動や、過敏、感情的になるなど。
NMDA受容体に重要なマグネシウム
NMDA受容体のカルシウムイオンの流入をコントロールしているのがマグネシウム。
受容体にマグネシウムイオン(Mg²⁺)がくっついているときは、いい感じでNMDA受容体は正常稼働している。
受容体にマグネシウムイオン(Mg²⁺)が不在だと、カルシウムイオンの流入がコントロールできない。
カルシウムイオンの流入がコントロール不能になると、NMDA受容体は正常に稼働せず、長期記憶の低下が出ると言われている。
もっと詳しく言うと、NMDA受容体のマグネシウムイオン(Mg²⁺)によって、長期記憶を保持するための遺伝子発現がコントロールされているとのこと。
NMDA受容体におけるMg2+ブロックは長期記憶に関連するCREBに依存性の遺伝子の発現誘導に必須である
「ショウジョウバエの学習・記憶変異体の研究から」https://www.jstage.jst.go.jp/article/hikakuseiriseika/26/1/26_1_12/_pdf/-char/ja
NMDA受容体において、マグネシウムは非常に重要な役割をしているのだ。
食事由来のマグネシウムとNMDA受容体
ここで問題は、NMDA受容体で門番をしているマグネシウムが、食事から摂取するマグネシウム量と関連があるのか?という点。
答えは「イエス」
マウスの実験では食事のマグネシウム量を制限すると、脳のNMDA受容体に影響が出ることが確認されている。
食事のMg(2+)摂取量を制限すると、マウスの偏桃体、視床下部の脳のNMDA受容体を含めた複合体レベルを低下させる。
Dietary magnesium restriction reduces amygdala-hypothalamic GluN1 receptor complex levels in mice.,Brain Struct Funct. 2015 Jul;220(4):2209-21.
脳におけるマグネシウムの重要性
脳にマグネシウムが重要だという理由はほかにもある。
まずは、脳のエネルギー源が解糖系だという点。
解糖系に最も重要なミネラルはマグネシウムです。
他にも、マグネシウムは脳シナプスを保護する作用も。
上記に加えて、マグネシウムがNMDA受容体の健全性にも重要で、マグネシウム欠乏は長期記憶の低下を招く可能性がある。
物忘れや認知症対策の栄養素は、DHAとか、イチョウ葉エキスとか、いろいろあるけど、私ならまず第一にマグネシウム欠乏が無いかどうかは押さえます。
脳の認知、記憶機能の健全性にはマグネシウム!と覚えていただければ幸いです。
今日のポイント
・脳においてNMDA受容体の健全性はマグネシウムが関与
・食事からのマグネシウム不足はNMDA受容体に影響が出て長期記憶の低下へ