ATPは細胞外に出ると炎症 ~細胞外ATPについて~

細胞外ATPは炎症物質

以前も書いたのですが、
もう少し分かりやすく
細胞外ATPについて
補足してみたいと思います。

  

分子栄養学をお勉強すると、
「ATPが足りない・・」とか
「ATPを増やすには」とか
寝ても覚めても
「ATP、ATP・・・」

「ATP妖怪か!こいつらは!」
うなされる日が必ず来ます(ウソ

  

このATPですが、
細胞内で増えることは重要ですが、
細胞外に飛び出してしまうと
なんと炎症を起こしてしまう
かなり厄介モノだということ、
ご存じでしょうか?

細胞外でのATPの代謝

ATP(アデノシン三リン酸)
アデノシンにリン酸が3個
くっついた形をしています。

ATPからリン酸が一個外れると、
ADP(アデノシン二リン酸)に。

さらに、リン酸が外れると、
AMP(アデノシン一リン酸)に。
最終的にリン酸が全部とれて
しまってアデノシンになります。

ATP
ADP
AMP
アデノシン

このATPの代謝をまず覚えるべし。

もし、細胞膜が何らかの形で破れて、
細胞内にいたATPが
細胞の外に飛び出したとします。

ここでポイントなのですが、
ATPとADPは炎症を起こす、
アデノシンは抗炎症に働く、

というのがミソです。

つまり、ATPが細胞外に
押し出されてしまっても
アデノシンまで速やかに
代謝されてしまえば問題なし。

細胞外ATPの代謝に必要な栄養素は「亜鉛」

では、この細胞外のATPを
アデノシンまで代謝させるのに
重要な栄養素が何かというと
それは「亜鉛」です。

ATPからADP、AMP、
アデノシンに至るまで、
全てのステップで亜鉛が必要

なので、
炎症を抑える塗り薬には
亜鉛入りのが多いです。

例えば『亜鉛華軟膏』
傷とかやけどに塗るお薬。
ステロイドとかと違って
穏やかに炎症を抑えてくれます。

  

女性の化粧品、パウダーとか
日焼け止めなどにも酸化亜鉛が
使われていることが多いですね。
ナチュラル系のコスメには
よく見かけます。

細胞外のATPは炎症の元、
それを抑止するのは亜鉛

と覚えましょう。

  

今日のポイント

・細胞外に出たATPは
炎症物質である。

・細胞外ATP、ADPが
アデノシンまで代謝
されると抗炎症に働く

・細胞外ATPをアデノシン
に代謝する栄養素は亜鉛

   

この記事が気に入ったら 「いいね !」 してくれるとうれしいです

Twitter で

募集中のセミナー