怪我・入院・手術する前に知っておきたい、自分で出来る栄養管理法

自分で出来る入院・手術時の健康管理法

知人がちょっとした手術で入院したので
入院中のサバイバル法について伝授しておきました。

おかげで回復も早く、
元気に復帰できたよと、

お礼のLineが届きました。

 

身体に侵襲があるとき
(怪我や手術など身体に傷をつけるとき)
大事になるアミノ酸は以下の3つです。

①グルタミン
②アルギニン
③BCAA

 

なぜ怪我や手術で入院の際に重要になるのか
それぞれ簡単にまとめます。

怪我・手術時に必要な栄養 ①グルタミン

① ATPを作るエネルギー源となる

グルタミンはαケトグルタル酸になって
TCA回路に入ります

(ちなみに、、
その時必要な酵素がASTとALTです)

 

手術の傷の回復時、普段以上に
タンパク合成が必要になります。
その合成のためのエネルギーとなる
ATPが不足すれば傷の治りが遅くなります。

 

② グルタミンは侵襲時に多大に消耗される

怪我や病気の際には、グルタミンの消耗が
とても大きくなることが分かっています。

グルタミンは血液中にあるアミノ酸の中で
最も濃度が高いアミノ酸ですが、
怪我・手術時にはものすごい勢いで消費されます。
血液中のグルタミンが不足すると、
身体は筋肉を壊してグルタミンを作ります

 

東口先生によると、病気などで
ベッドで安静を強いられるとき、
筋肉・筋力が低下して身体機能が低下する
「廃用萎縮」の大きな原因の一つが
グルタミン不足とのこと。

 

風邪をひいて高熱が出ると、節々が痛くて
筋肉痛のような症状が出ることがありますよね?

これも侵襲時のグルタミン需要増大に伴い
筋肉が異化されてグルタミンが放出
されている現象だと思われます。

 

③ 腸管免疫を高める

グルタミンは腸、特に栄養を吸収する小腸の細胞が
必要とするアミノ酸です。

手術時など、食事が上手く取れない場合
グルタミンが足りなくなって小腸粘膜が萎縮、
IgA抗体という腸管での兵士たちが戦意喪失。

バクテリアトランスロケーション
(腸管にいる細菌が血液から見つかる)
が起こります。つまりこれリーキーガット。

グルタミンを十分補給することで、
腸粘膜の萎縮を予防、リーキーガットを
予防できるので感染症対策にも良いのです。

怪我・手術時に必要な栄養 ②アルギニン

① ATPをリサイクルさせる

アルギニンはクレアチンの材料です
クレアチンはリンとくっついて、
エネルギーを放出したADPを
もう一度ATPに戻す作用があります。

つまりATPをリサイクルして
エネルギー効率を上げるのがアルギニン

 

② 免疫系の増強、傷の治癒効果

アルギニンは、リンパ機能を強くしたり、
脳に働いて成長ホルモンを刺激したり、
ポリアミン(細胞分裂や蛋白合成などに
関与している成長因子)の原料になったりします。

怪我や手術時にめちゃくちゃ活躍する
それがアルギニンです。

 

③ 一酸化窒素(NO)を供給する

一酸化窒素は血管を広げ、血圧を下げます。

一酸化窒素合成酵素が、アルギニンから
一酸化窒素を作るのです。
つまりアルギニンで血行が良くなる、

怪我・手術時に必要な栄養 ③BCAA

① 筋肉の分解予防(カタボリック予防)

手術やケガなどのとき、
身体はタンパク質を壊して
エネルギーに変換しようとします。
(もっと大変になったときのために
糖や脂肪はとっといておこう、
と思うのではないかと)

怪我や病気で寝込んでしまうと、
お腹の脂肪は減らないのに、
足腰の筋肉は弱く細くなるという
あの現象ですよ。

 

そうならないために、筋肉を増やすアミノ酸
BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)
事前に補充しておくこと。

先回りしてBCAAを入れて、
BCAAをエネルギーとして使ってもらうのです。

 

BCAAは筋肉に取り込まれたあと、
アラニンに代謝されて、肝臓に回って
糖新生に使われます。
(ちな、この時必要な酵素はALT)

タンパク質なのに、エネルギー(糖)としても
サクッと使える。それがBCAAです。

ちなみに、BCAAが筋肉に取り込まれるには
インスリンがあれば効率的なので、
お食事を摂ったあとにBCAA補給など、
最適と思われます。

 

その他、
フィッシャー比(BCAAと芳香族アミノ酸の比率)
を改善するので、肝不全時には意識障害を予防する
とのこと。肝臓の手術なんかではもはや必須では?

 

 

友達に病室に持ち込んでもらった
アミノ酸は以下2つです。

 

グルタミン
健康な人が腸ケアやメンテナンスに使うなら
1日に10g~だけど、怪我や入院時は30g~

 

BCAA+アルギニン
人工甘味料なしのBCAA系で
唯一許せるお味のMUSASHI
BCAAにアルギニンが強化されたクアン

 

グルタミンもBCAAも、筋トレ好きの
マッチョさんには有名な商品。
なので、どうしてもパッケージがごつい。

もうちょっと可愛い感じの商品パッケージ
もしくは無印良品がオサレな感じで
出してくれればよいのにね。

 

「栄養面で備える」という技

知人のお父様が入院した際、
毎食必ずジュースがついてきたとか。

 

HFCS(異性化糖)に人工甘味料…

 

予算の都合上、入院中のお食事に
いかに早く傷を治し、筋力の低下を予防するか
という「最適化」の観点を期待するのは
土台無理なおはなし。

なので自分で出来ることは
事前に準備したほうがよいです。

 

もっと欲張るなら、抗酸化対策とか
細胞分裂に大量消耗される亜鉛とか
他にもいろいろありますが、
なにはなくてもタンパク質死守です。

なぜなら、怪我や手術の際、
糖よりも脂肪よりも、タンパク質が
エネルギーとして優先的に消費されるから。

このポイントは押さえておいてくださいませ。

 

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