栄養が効かない?その個体差はどこで生まれるか?

個体差を生じる3つのポイント

食餌療法の選択、
栄養素の必要量、
それらは個人個人によって違う。

サプリメントの効き方も、
食事療法の効果も、
個体差がある。

この個体差を見極めることが
分子栄養学で一番大事。

その個体差はどこから生まれるのか?
私の経験では主に3つ

 

① 遺伝

身体の代謝にはさまざまな酵素がかかわっている。

酵素はタンパク質、
タンパク質は遺伝情報にコードされる。

 

例えば、
お酒で顔が赤くなる人、ならない人
これはアセトアルデヒト分解酵素の活性が
人の遺伝情報により違っているから。

タンパク代謝も脂質代謝も糖質代謝も
すべからく酵素がかかわっている。

もともとの酵素活性が低い場合、
たくさん補酵素(ビタミン、ミネラル類)を
補給しないと酵素活性が保てない人がいる。

ビタミン、ミネラル類の必要量が
個体差によって生じる所以。

 

酵素活性が低い場合、
これは持って生まれたスペックなので、
しょーがねえべ!と諦める?

いやいや、
そのスペックを知ることが重要で、
スペックに難があると分かっているのなら
補酵素をしっかり補うなど対策がある
それが栄養療法の得意技ね。

 

② バイオバランス

2つ目はバイオバランス
簡単にいうと「腸内細菌」のこと。

消化管にはたくさんの細菌が住んでいて
そいつらが栄養を供給してくれる。

 

良い細菌叢を持ってる人は
栄養リッチだし、
貧相な細菌叢しか持ってない人は
栄養素もカスカス

これは幼少期に
どれだけばっちい生活をしたかによる。
清潔すぎる生活環境はあまりよろしくない。

 

フルーツしか食べない中野瑞樹先生のお腹には
アミノ酸(タンパク質)をつくる細菌が
うじゃうじゃいるらしい。

タンパク摂取量も腸内細菌に左右されるし
ミネラルの吸収にも影響する

ビフィズス菌によるビタミンBの供給は有名だが、
最近では、EPAなどの脂質も
腸内細菌が抗炎症作用のより強い物質に
変換していることが分かってきた。

同じものを食べていても
食品に含まれる栄養素の生理活性作用は
その人の持ってる腸内細菌によって
違ってくるということ。

 

良からぬ菌しか持ってなければ、
良い菌(プロバイオティクス)を入れるし

ストレスやら悪い食事やらで
良い菌たちがへばってたら
良い菌のごはん(プレバイオティクス)
を入れてやる必要がある

菌の多様性たるや、
人間の個体差ぐらいの違いがあるから
その人に合うプロバイオティクスの選択が必要。

 

③ 性格

食事療法やサプリメントが効かない、
「それはあんたの性格が悪いのよ」
という失礼な物言いはしないけど、

カウンセリング業を行っていて痛感する、
その人の性格やモノの見方、考え方は
栄養状態に関係している。

人間は生命体としての存続を
他者からももらう栄養素に頼っている。

それらの栄養素を吸収するのは消化管だ
その消化管は自律神経の影響を
めっちゃくちゃ受ける。

ストレスの強い人は栄養素の吸収が悪い。

 

副腎疲労になる人は
アドレナリンやコルチゾールなど
交感神経を強くするホルモンばかり駄々洩れなので、
副交感神経支配下にある消化管が働かない。

そもそも栄養を吸収する状態にならないから
食餌療法もサプリメントも無駄になる。

 

自律神経のバランスが悪ければ、
オートファジーも働かない

タンパク質なんて食べる分より
リサイクル分のほうが多いから
タンパク代謝もストレスで悪化する。

自分の好きな仕事をしているか?
人間関係に悩んでいないか?
神経質になりすぎていないか?

そのストレスの根源まで見ることが出来て
初めてその方を救えるのだと思う。

これはカウンセラーとしての技量である。
私もまだまだ修行中。

 

「栄養療法は個体差を考えにゃいといかんにゃよ」

 

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