【森鴎外とビタミンB1の因縁】糖質を取ったらなぜビタミンB1が必要なのか

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森鴎外とビタミンB1の関係

ビタミンB1と聞いてみなさまは何を思い浮かべますか?

私は(マニアですから)日露戦争の脚気のハナシを思い出します。

 

江戸時代後期以降、日本人は雑穀ではなく白米を食べるようになりました。

それ以降「脚気」が国民病になりました。

 

「脚気」はビタミンB1の不足でおこります。

ビタミンB1は米ぬかの部分に含まれるので、精米度の高い白米ばかりを食べているとビタミンB1不足になるわけです。

 

当時の日本人の白米消費、1日あたり4合~5合。

糖質制限など異次元のハナシ、そら脚気にもなるわ。

 

この「脚気」でバタバタ人が死んだのが日露戦争です。

日露戦争での兵士の死者数はおよそ4万6千人です。

しかし、脚気によって死んだ兵士数は、なんと2万7千人です。

戦死者の半分以上は戦火によって死亡したのではなく、脚気によって死亡したのです

脚気がいかに怖い病気だったか伺えます。

 

当時の陸軍軍医は「脚気は細菌による感染症」と考えていました。

海軍軍医が、原因は白米にあるのではないかと仮説を立てて、兵士に麦飯を食べさせたところ死者が激減します。

陸軍では莫大な死者数だったのに対し、海軍では死者がゼロだったそうです。

 

 

その10年後、農学者の鈴木博士が米ぬかからビタミンB1(チアミン)を特定し、脚気の原因がビタミンB1不足であることを発見しました。

その当時の陸軍軍医は「なにを農学者がバカなことを」と自説にこだわったそうです。

栄養が病気を治すとは信じられなかったのでしょう。

 

なにを隠そうその陸軍軍医派の一人があの「森鴎外」です

 

国語の教科書に出てくる人ですが、本業はお医者さん

カリスマ性があって自説の主張が強固、尖がったこと言う人のほうがスポットがあたるのは今も昔も一緒ですな。

 

現代でも似たようなことがおこってます。

「うつ病など精神疾患が栄養で治る」なんて、ひと昔前は信じられない事実でしたから。

この日露戦争における日本軍のハナシは日本の歴史において「栄養をもって病気を治した」証明となりましたので、栄養療法関係者が大好きな逸話となっております。

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糖質にはビタミンB1のその理由

さて、なぜ糖質にはビタミンB1をセットにしないといけないのか?

それは、糖質からたくさんのエネルギーを作るにはビタミンB1が絶対必要なんです

 

身体が食べ物から作るエネルギーの元を「ATP」と言います。

ATPが多く作られる回路は細胞の中にあり、これを「クエン酸回路」と言います。

 

ご飯を食べてその糖分がクエン酸回路に入るためには、アセチルCoAに変わる必要があります。

糖→ピルビン酸→アセチルCoAと変わります。

ピルビン酸からアセチルCoAに変わるときの酵素をピルビン酸デヒドロゲナーゼと言いまして、その補酵素がビタミンB1なのです。

もしビタミンB1不足だとピルビン酸は乳酸に回るほうが多くなるので、疲れやすくなります。

 

ご飯ばっかり食べてビタミンB1が不足というのは、家を温めるのに薪をたくさん用意したはよいけども、肝心のマッチがないという状態です。

燃料ばっかりたくさんあるのに身体はちっとも温まらないから、無駄も甚だしいということ。

 

ちなみに、「ピルビン酸⇔乳酸」の反応を助けているのが乳酸脱水素酵素(LDH)です。

ここで書いてるからよかったらお読みください↓

【乳酸脱水素酵素・LDHが低い場合】疲れやすい人・糖新生が出来ない人・低血糖症の特徴
糖新生とは?糖質制限ブームですっかり悪者扱いされている感のある「ぶどう糖」ですが、身体にとっては大切なエネルギー源であり、なくなってしまうと人間は生きていくことはできません。血糖値が50を切ると、中枢神経がエネルギー不足で意識が朦朧とし、30以下で昏睡状態です。もし、糖が供給されなければ、血糖値が下がり続けるかというとそういうわけではありません。我々の身体には食事から糖を得る以外に、身体の中で糖を作る仕組みがあります。それが「糖新生」です。

ビタミンB1は効果が出るのは早い

ビタミンB1ですが、栄養ドリンクやビタミンB剤には必ず配合されています。

私愛用のThorneのサプリ「Stress」にももちろん入っています。

「チアミン」と書かれてあるのがビタミンB1です

 

栄養療法を始めて一番最初に効果を感じたのがこのビタミンBサプリでした。

肩こりもあっさり良くなるし、身体も軽くなるし、ほんまびっくりでしたよ。

それくらい糖質代謝がうまくいってなかったという証拠ですね。

 

これは水溶性ビタミンの特徴で、欠乏症に対して即効性があるのです。

脂溶性ビタミンやミネラルではこうはなりません。

 

では、どれくらいの期間飲めば効果があるのでしょうか?

これは1954年に行われた人体実験が参考になります。

 

4人の健康な男性に1か月(30日)間ビタミンB1が全く入っていない食事をさせたそうです。

倦怠感という脚気の症状が確認されたあと、ビタミンB1を加えた食事に戻し、被験者2名の血中ビタミンB1濃度を観察した結果です。

二人ともおよそ12日間(2週間)後に、血中ビタミンB1濃度も倦怠感も元に回復したとのこと。

※佐々木敏「データ栄養学のすすめ」より引用

 

めちゃくちゃ参考になりますね。

それにして昔(1950年代)はこんな人体実験やっちゃうんだからスゴイ。

今なら倫理的な問題で無理でしょう。

 

というわけで、2週間ビタミンB1を追加してみて疲労感が軽減されるようなら、その疲労感は糖質をうまく利用できてないのが原因と言えるかもしれません。

どうぞご参考ください。

 

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