更年期に備えてなすべきことは筋肉増強
閉経後に筋肉量が少ないと、高血糖になりやすいという発表がつい先日順天堂大学より出てました。
https://academic.oup.com/jes/article/2/3/279/4874251
31人の若い女性(20〜29歳)と30人の閉経後の女性(50〜65歳)の糖代謝(ブドウ糖負荷検査)を比較調査したところ、
筋肉のないやせ型女性ほど糖代謝が下手で血糖値が高くなりやすく、その傾向は若いときよりも閉経後の女性で強くなるとのこと。
対象となった女性のAST/ALT、BMIは以下。
ご覧のように、AST/ALTが20に届かない、つまり代謝不足(おそらくその原因は栄養不足)の人ばかり。
これは普段私が問い合わせを受けてカウンセリングで対応している女性たちのごく平均的なボリュームゾーンです。
BMIの低い痩せグループは17~18前後とかなり華奢。
そして結果がこちら。
左が若い女性、右が閉経後の女性。
閉経後のBMIの低い筋肉無し子さんは血糖値が上がりやすく、糖代謝が下手なことが分かります。
論文中の結論としては、高血糖になりやすいのは筋肉の有無が関係しているとのこと。
筋肉は一番大きなエネルギー(糖)の貯金箱なんで、
筋肉がない = 血糖値が保てない ⁼ 糖代謝に異常が出やすい
という図式なんです。
しかも、若いころはそこまで差が顕著ではない。
ということは、おそらく副腎や肝機能などのヘッポコ具合が関係しているということでしょうな。
肝臓も筋肉の半分くらいの糖の貯金(肝グリコーゲン)をしますし、糖新生はほとんど肝臓で行われます。
副腎機能がお疲れだとコルチゾール分泌に支障が出るため血糖値を保てません。
糖負荷検査で血糖値が跳ね上がりやすいというのは、インスリンの最初の初動が下手ということです。
その原因ですが、主に消化管にあることが多い。
小腸には食べ物が入ってきたら、インクレチンというホルモンを出して膵臓に「インスリン出して~」とお願いする仕事があるのですが、腸が傷んでいる人はここがスムーズに働きません。
なので初動のインスリン発動が遅れるため、血糖値が跳ね上がりやすい。
まとめますと、
・閉経後の更年期の女性で筋肉のないやせ型だと、血糖値コントロールが下手
その対策は、
・筋肉つけろ
・腸管ケアと副腎ケアをして血糖値コントロールのバックアップ体制整える
血糖値が上がりやすいというのは、単に糖尿病になりやすいということを意味するのではなく、
自律神経も乱れやすく、体内の老化が進んでさまざまな体調不良を招きやすいということを意味します。
更年期障害の症状もより強くなることは想像にたやすいわけです。
私もあと1、2年で閉経BBAの仲間入りの予定なんで、他人事じゃないですねー
メンタル面も健康面も、筋肉って結局いろんな意味で大事。
持って生まれたスペックは変えられませんが、筋肉は後天的に増強できるわけなんで、ここは努力しましょうよ!ってハナシでした(←自分に言ってます)